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2016年Vol.17 No.4

その他

病理検査室の認定について

著者

白波瀬 浩幸

京都大学医学部附属病院 検査部 (病理部門)

Summary

ISO 15189は2003年に国際標準化機構 ( International Organization for Standardization : ISO ) によって設定された臨床検査室に特化した国際規格である.この規格は2回の改訂を経て,2012年からISO 15189:2012「臨床検査室-品質と適合能力に対する要求事項」が用いられている.公益財団法人日本適合性協会 ( Japan Accreditation Board : JAB,以下,JAB ) では, 2005年に臨床検査室認定制度を開始したが,当初は病理学検査を認定範囲に含めていなかった.その後,検討が重ねられ,約4年半後に認定範囲を拡大して2009年12月から病理学的検査のISO 15189の申請受付けを開始することになった.

京都大学医学部附属病院病理部は,検査部,輸血細胞治療部,薬剤部 ( TDM 室) と一緒に,2014年3月にISO 15189:2012の認定を取得した.ISO 15189は,分析系検査を対象としたもので,数値化される項目がほとんどない病理学的検査にはそぐわない印象であったが,実際に認定取得してみると,品質マネジメントを考えるよい機会となったことは,間違いない.