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2016年Vol.17 No.3

その他

品質マネジメントシステムにおける内部監査の有効性

著者

関 顯

株式会社保健科学研究所 QAU

Summary

2003年に国際間の標準化を推進している国際標準化機構 ( ISO:International Organization for Standardization ) から臨床検査室領域で初めての国際規格ISO 15189 「臨床検査室-品質と能力に関する要求事項」が発行されてから13年を迎えた1).2007年と2012年に規格の改訂が2回あったが要求事項の本質的な変更はなかった.この間,より高い医療サービスを目指してISO 15189の認定を取得した臨床検査室が世界で約6,000施設以上,国内では100施設を越えるなど「品質マネジメントシステム ( 以下,QMS ) 」の導入の有効性が広く認識されている.しかし,いくつかの臨床検査室でQMS 導入の効果を見出せない状況が多々あると聞く.現在,株式会社保健科学研究所 ( 以下,当ラボ) では,QMS の1つである「内部監査」を品質改善の重要活動と位置付けている.本稿では,当ラボの内部監査の運用を紹介するとともにその効果とそこから見えてきた改善すべき課題について述べる.