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2016年Vol.17 No.3

その他

ISO 15189染色体遺伝子検査の認定について

著者

藤澤 真一

北海道大学病院 検査・輸血部

Summary

我が国のISO 15189認定制度は2005年に始まったが,2016年の診療報酬改定で新設された国際標準検査管理加算を契機に大きな関心が寄せられている.認定取得を目指し活動を開始したものの,独特の用語遣いと文法で記述された要求事項に困惑することも多いのではないだろうか.ISO 15189:2012の序文に“この国際規格は,臨床検査室のサービスで現在認められている分野全体にわたって使用されることを意図しているが,臨床生理学,臨床画像,医学物理学といった分野でも有用かつ適切であろう”と,臨床検査全般への万能性をうたっているが,多くは臨床化学分野を想定しているために,要求事項によっては相当の読み替えが必要となることも少なくない.染色体遺伝子検査分野はその一つであり,認定取得から10年以上経過した当検査室においてもいまだ試行錯誤は続いている.今回は,染色体遺伝子検査分野への適用について,自施設例を交えながら解説したい.