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2016年Vol.17 No.2

その他

機器保守における負担軽減

著者

山本 勇藏

株式会社いかがく 保健科学グループ西日本ラボ

Summary

株式会社いかがく 保健科学グループ西日本ラボ ( 以下,当ラボ) のISO 15189は,2005年に開始されたパイロット審査により全国5ヶ所の検査室の一つとして2005年9月に認定され,すでに11年目に入っている.

ISO 15189の導入は,当ラボ組織とすべての従業員にそれまでにない大きな負担となった.この負担とは,ISO 15189そのものをいっているのではない.規格は, “正しい”検査結果を臨床に提供するうえですべて必要なことであると考えている.我々にとっての負担とは,規格の理解不足や深読みによるシステムの構築の仕方や文書化と記録のあり方の拙さからくる負担と,必要ではあるがそれまで行っていなかったことを実行し始めたことにある.規格の理解不足による稚拙な具現化は,不必要な手順の制定や整合性に欠ける文書と記録を発生させるだけでなく,更にそれらを維持・管理することがムリ・ムダ・ムラとなり,より一層の負担となる.しかし,この11年,これらの負担を軽減または除去するために,遅々とした歩みながらも様々な取り組みを行ってきている.

この度,当ラボにおける負担軽減の一つとしてISO 15189:2012の5.3.1“機材”にある5.3.1.5の“機材保守及び管理”を中心とした当ラボの取り組みを,シスメックス社のご厚意により当誌に紹介させていただけることになった.他の検査室ではここに紹介する内容よりも合理的で負担の少ないシステムを構築されているかも知れないが,当ラボが自ら考えた機器保守管理の負担軽減策である.