Sysmex Journal Web ※このコンテンツは医療従事者向けです

2016年Vol.17 No.2

論文

多項目自動血球分析装置XN-550 における体腔液モードの性能評価 - 髄液,関節液細胞数算定の運用条件における留意点 -

著者

田中 雅美, 宿谷 賢一, 森田 賢史, 影山 祐子, 大久保 滋夫, 下澤 達雄, 矢冨 裕

東京大学医学部附属病院 検査部

Summary

髄液・関節液検体を用いて,多項目自動血球分析装置XN-550(以下,XN-550:シスメックス社)の体腔液モードの性能評価を行った.髄液の目視法との相関では,白血球数,単核球数,多形核球数で相関係数r=0.952以上と概ね良好であったが,変性した細胞を有するドレナージ検体では目視法と乖離を認めた.多項目自動血球分析装置XN-9000(シスメックス社)との相関では,白血球数,単核球数,多形核球数で相関係数r=0.979以上と良好であった.関節液の目視法との相関では,白血球数,単核球数,多形核球数で相関係数r=0.911以上と概ね良好であった.XN-550 の体腔液モードは,運用条件を設けることにより休日・夜間の時間外検査に有用であると考えられた.

Key Words

髄液, 関節液, 自動血球分析装置, XN-550, 白血球数