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2012年Vol.13 No.3

論文

国立長寿医療研究センターでの BVI 6100 の使用

著者

野尻 佳克

国立長寿医療研究センター 泌尿器科

Summary

膀胱機能の低下が潜在する高齢者では,入院に伴う全身状態の悪化により尿排出障害が顕在化し尿閉となってしまうことがある.尿閉により腎機能障害,尿路感染の悪化をきたす可能性があるだけでなく,膀胱が過伸展することで膀胱機能が低下し,さらに尿排出障害が悪化する.急性期病院では尿閉の見逃しは避けなければならない.入院時には排尿状態は不明であり,膀胱の過伸展予防のために膀胱用超音波画像診断装置ブラッダースキャンシステムBVI 6100 ( 以下:BVI 6100 ) によって残尿測定を行い対処する.残尿量が 100mL 以上の場合には観察を続け,残尿量が 400mL を超えた場合には導尿を行う.その後の管理については泌尿器科医に相談を行い,回復すべき患者を見過ごしてしまったり,回復を阻害したりすることが無いように,患者ごとに適切な排尿管理方法を決定する.

Key Words

BVI 6100, 残尿, 急性期病院