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2011年Vol.12 No.3

その他

「ISO 15189 で臨床検査室を再構築する」 -第11 回 ( 最終回) 病院組織における臨床検査室の今後の役割を模索する-

著者

大田 喜孝

社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院 情報システム部部長 (元 中央臨床検査センター室長)

Summary

聖マリア病院中央臨床検査センター ( 以下,当センター) は2006年よりISO 15189を用いた臨床検査業務の改善に取り組んできた.その中で,患者サービスや医療安全管理において様々の効果を認めてきたことは本シリーズでこれまで述べてきたとおりである.ISO 15189の真の目的は認定取得そのものではなく,そのプロセスにおいてPDCA サイクルを回し,いかに業務の質を高めていくかにある.そして,それは常に継続的なものでなければならない.

我々は,当センターにおけるISO 15189認定取得の経験を生かし,院内の業務改善に踏み出すことになった.まず着手したのは病棟業務の改善である.結果として約2年間の活動の末,病棟看護業務における37種の標準作業手順書 ( SOP ) を作成し,標準化を可能にした.そして現在,病院全体へのISO の水平展開を目的とし,ISO 9001認証取得を目指してプロジェクト活動を行っている.

このシリーズの最終稿では,これまで我々が行ってきた当センタースタッフを中心とした全院的な品質マネジメントシステムの展開について述べるとともに,病院組織における臨床検査室の今後の役割について考えてみたい.