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2009年Vol.10 No.2
総説中村 彰宏
天理よろづ相談所病院 臨床病理部
微生物検査領域における迅速化が求められる今日,塗抹検査は最も安価で迅速に実施可能な検査であり重要な診断ツールである. 塗抹検査は細菌の有無のみを観察するのではなく,細菌以外の要素すなわち炎症のステージやウイルス感染およびアレルギーなどの非細菌性炎症などを観察することで,幅広い情報が得られ治療方針の決定に大いに貢献することが可能である. 日常検査における染色法にはグラム染色が汎用されているが,本染色法は細菌観察のための染色法であり,細胞分類などには不適である. そこで,当検査室では塗抹検査においてより多くの情報を得るため,ディフ・クイック染色 ( シスメックス社 ) を併用している. ディフ・クイック染色は,固定から染色まで15秒でライト・ギムザ染色と同様な染色形態が得られる簡易迅速染色液セットであり,ベッドサイドでの穿刺吸引細胞診や血液形態などで頻繁に用いられる. 本染色法は微生物分野においてもグラム染色との併用によって非常に有用な染色法であると考える. 本稿では,ディフ・クイック染色の当院における利用方法をいくつか実例をふまえ紹介する.
塗抹検査, グラム染色, ディフ・クイック染色
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