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ヘパリン療法の副作用判定に寄与する検査試薬「HISCL™ HIT IgG試薬」を発売

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:浅野 薫)は、血小板第4因子とヘパリンの複合体に対するIgG抗体を測定する「HISCL™ HIT IgG試薬」(以下「本製品」)を2024年9月27日より国内市場から発売しました。
 本製品は、HISCL™ シリーズ※1の技術を採用した全自動血液凝固測定装置 CN-6500/CN-3500(以下「CN-6500/CN-3500」)※2用の検査試薬であり、ヘパリン起因性血小板減少症(以下「HIT」)※3の血清学的検査において求められる高感度、さらには高特異度を実現します。高特異度を可能としたことで、ヘパリン療法の副作用判定において課題である偽陽性の低減に寄与し、HIT診断の迅速化および検査効率の向上に貢献します。

 ヘパリンは、血栓症に対する抗凝固療法や血液透析患者などに投与され、血液凝固を防ぐために使用されますが、治療目的で投与されたヘパリンにより、副作用を伴うことがあります。その診断においては、HIT抗体の測定が血清学的検査として実施されますが、特異度が高く、かつ迅速に結果を得られる方法がないため、これを実施できる医療機関は限られています。そのため、HITを疑った場合でも検査結果がすぐに得られず、患者さんへの対応が遅れることがあります。また、血清学的検査を実施している医療機関でも、偽陽性が多いために本来不要な抗凝固薬への変更やそれに伴う治療コストの増加が生じるなど、非効率な診療につながることが課題となっています。
 
 CN-6500/CN-3500は、血液凝固検査項目と血清学的検査を同時に測定できるため、HIT発症時の代替治療薬モニタリングに用いられるAPTT検査も迅速に実施でき、医療現場のニーズに応じた効率的な検査ワークフローの向上も期待できます。これにより、患者さんのQOL向上に加え、医療機関の運営効率も飛躍的に向上することが見込まれます。
 
 シスメックスは、これまで複雑な検出プロセスのために早期診断が難しく、十分な検査が実施できていなかった血小板減少症や血小板機能異常症などの疾患に対して、検査の効率化、迅速化、そして精度向上を目指してきました。本製品により、血小板減少症の疾患マネジメントに一層貢献し、今後も血小板関連疾患に対して臨床的価値の高い検査項目を拡充することで、疾患マネジメントの向上に貢献しつつ、事業拡大・グローバル展開を推進していきます。
【製品の概要】
   

一般的名称

血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体キット
販売名 HISCL™ HIT IgG試薬
体外診断用医薬品製造販売承認番号  30500EZX00054000
使用目的  血漿中の血小板第4因子(PF4)-ヘパリン複合体に対するIgG抗体(HIT IgG抗体)の測定
製造販売元 シスメックス株式会社
対象市場 日本市場から順次発売予定
発売時期 2024年9月27日
 
【注釈】
  ※1 HISCL™ シリーズ:
全自動免疫測定装置 HISCL™-5000/HISCL™-800の総称

販売名

医療機器製造販売届出番号
全自動免疫測定装置 HISCL-5000 28B1X10014000011 
全自動免疫測定装置 HISCL-800 28B1X10014000012
  ※2  全自動血液凝固測定装置 CN-6500/CN-3500:

販売名

医療機器製造販売届出番号
全自動血液凝固測定装置 CN-6500 28B1X10014000057
全自動血液凝固測定装置 CN-3500 28B1X10014000058
  ※3
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT):
ヘパリンの使用により血小板減少症と血栓症を発症する疾患のこと。一般内科・外科領域における未分画ヘパリン投与患者のHIT抗体陽性率は8~17%、そのうち実際に血小板減少や血栓症を引き起こすのは0.2~3%程度だが、適切な治療が行われないと20~50%の症例で血栓塞栓症を引き起こすため、HITでは迅速な診断と適切な治療が求められる。
*参考 ヘパリン起因性血小板減少症の診断・治療ガイドライン 血栓止血誌2021;32(6) 737-782
https://www.jsth.org/wordpress/wp-content/uploads/2015/04/ヘパリン起因性血小板減少症の診断・治療ガイドライン.pdf
     

以上

シスメックス株式会社について

シスメックスは、グループ企業理念「Sysmex Way」において「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げています。1968年の創立以来、血液や尿などを採取して調べる検体検査分野を中心として事業を展開し、現在は190以上の国や地域で、人々の健康を支えています。長期ビジョン「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」のもと、一人ひとりの生涯にわたるヘルスケアの旅路「ヘルスケアジャーニー」がより良いものになるよう、検体検査領域でのさらなるイノベーション創出に加え、新たな領域にも挑戦しています。シスメックスは、独自のテクノロジーとソリューション、さらにはさまざまなパートナーとの協創を通じて新たな価値を提供し、健康で長生きしたいという人々の普遍的な願いに寄り添います。
※「ヘルスケアジャーニー」はシスメックス株式会社の登録商標です。

シスメックスの詳細については、www.sysmex.co.jpをご覧ください。

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