ニュース

ニュース

ドライアイスフリーによる生化学検査用精度管理試料の供給を開始

~サステナブルなコールドチェーンを実現~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒)と東邦ホールディングス株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役CEO:有働 敦)の医薬品卸売事業子会社である東邦薬品株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:馬田 明)は、高度な冷凍輸送が必要となる生化学検査用の精度管理試料の供給において、輸送回数の低減、輸送資材のリユースおよび輸送工程全体のドライアイスフリーを実現する体制を確立しましたのでお知らせします。両社は今後も、サステナブルなコールドチェーンの社会実装に取り組んでまいります。

 シスメックスでは従来、冷凍保管が必要な製品を厳格な品質・温度管理のもとお客さまにお届けするために、ドライアイスで保冷したうえでチャーターなどの専用便で輸送してきました。現在、年間約90トンのドライアイスを製品輸送に使用していますが、ドライアイスは石油精製の過程で排出されるCO2などを原料としているため、環境配慮・安定的な調達・調達価格の高騰などの観点から改善に向けた施策を検討してきました。その施策の一つとして、2021年12月より、ヤマト運輸株式会社と連携し、遺伝子検査用試薬に関してマイナス70度超低温帯でのドライアイスフリー輸送を開始しました。
 
 東邦薬品では、希少疾病用医薬品や高額医薬品など流通過程において特別な管理が求められる医薬品などを安定的に供給するために、最先端の物流機能と幅広い温度領域に対応した定温搬送装置「サルム」とを組み合わせた、サルム・ソリューション・システムを展開しています。「サルム」は温度・装置の状態が本体に内蔵された記録装置に記録できるため、医薬品の品質が完全に担保されていることを証明できます。そのため、製品の返品・再販売が可能となり、高額なスペシャリティ医薬品などの廃棄リスクを大幅に低減することが期待されています。また、定温管理用の保冷剤・ドライアイスとは異なり運用時のCO2排出量が少ないことも大きな特徴です。
 
 シスメックスと東邦薬品は、サステナビリティ・環境配慮の観点から、精度管理試料のドライアイスフリー輸送の実現に向けて体制を確立し、2022年9月より運用を開始することとなりました。東京より開始し、順次対象エリアを拡大する予定です。東邦薬品のサルム・ソリューション・システムを通じて医療機関などへ製品を供給することで、輸送回数の低減、輸送資材のリユース、輸送工程全体のドライアイスフリーによるドライアイス使用量およびCO2排出量の削減を実現します。混載輸送と医薬品卸会社による通常商品の配送体制を組み合わせてお客さまにお届けする長時間かつ長距離でのドライアイスフリー輸送は日本国内における診断薬業界初の取り組みとなります。また、シスメックスの検査関連試薬の在庫をよりお客さまにアクセスしやすい東邦薬品において確保することで、災害などの緊急事態においても医療従事者の方々が安心して医療活動を行えるよう製品の安定供給に取り組みます。
 
 両社は今後も、環境への配慮、高品質・安定的な製品供給などサステナブルなコールドチェーンの社会実装に取り組んでまいります。


従来:



目指す姿:


 
定温搬送装置「サルムFZ」

 
【参考】
  2021年12月23日リリース『ドライアイスフリーによるマイナス70度超低温帯での遺伝子検査用試薬の混載輸送を開始 ~環境に配慮し低コストで持続可能な医薬品コールドチェーンを実現~』

【シスメックスのマテリアリティ】
  シスメックスは、優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)の一つに「環境への配慮」を特定し、製品ライフサイクルおよび事業活動のバリューチェーン全体の環境保全に取り組んでいます。今後も、気候変動への取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
 

以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

ニュースへ戻る