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バイオリソース事業の促進に向け産官学が連携で一般社団法人を設立

~神戸大学・神戸市・神戸医療産業都市推進機構・シスメックスが共同設立~

 国立大学法人神戸大学(所在地:神戸市、学長:武田 廣 以下「神戸大学」)、神戸市(所在地:神戸市、市長:久元 喜造 以下「神戸市」)、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(所在地:神戸市、理事長:本庶 佑、以下「神戸医療産業都市推進機構」)およびシスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒 以下「シスメックス」)は、産官学連携による一般社団法人 BioResource Innovation Hub in Kobe(所在地:神戸市、代表理事:辻本 研二、以下「BRIH-K」)を設立したことをお知らせします。

 日本をはじめとする先進国では高齢化に伴うがん・認知症等の増加による、社会への影響が懸念されています。この課題の解決に向けて、疾患の早期診断、治療効果の予測、再発リスクの診断に有用なバイオマーカーの探索や、革新的創薬などによる先制医療および個別化医療の進展が求められており、これらの新規治療・診断法の早期実現に向け、臨床情報が紐づいた生体試料(以下「バイオリソース」)を用いた効率的な研究開発が期待されています。例えば、遺伝子情報等の異なる臨床背景を持つ患者さんのバイオリソースを用いた個別化医療や、発症前のバイオリソースを用いた超早期診断・治療の研究開発が可能になると考えられます。

 このような背景のもと、神戸大学は、神戸大学医学部附属病院 国際がん医療・研究センター内に「バイオリソースセンター」を2019年4月に設置し、神戸大学内外の研究者や研究開発企業などがバイオリソースを簡便に活用できる「クリニカル(病院併設型)バイオバンク」を目指しています。このたび、「バイオリソースセンター」に収集・解析・保管されたバイオリソースの活用促進を目的に、神戸大学、神戸市、神戸医療産業都市推進機構およびシスメックスが連携し、「一般社団法人 BioResource Innovation Hub in Kobe」を2019年10月に設立しました。
 「BRIH-K」は、製薬企業などの研究・開発機関への市場調査により得た新規治療・診断法に関する研究開発ニーズを「バイオリソースセンター」と共有することで、研究・開発上、価値の高いバイオリソースの効果的な収集を実現します。これに加え、神戸大学と連携することで、個人情報保護などの倫理面に配慮したバイオリソースの活用体制を構築します。また、神戸大学医学部附属病院を中心とした医療現場におけるニーズやアイデアから抽出したバイオリソースの活用について研究・開発機関への提案を行います。
 このような、バイオリソースの活用率を飛躍的に高める、自律性や持続性を有したニーズドリブン型の神戸バイオリソース事業を構築することは、革新的な医療技術の創出や予防医療の発展、患者さんの利益に資する医療の実現に加え、本事業にご賛同いただいた患者さんや健常者の方のご厚意を社会へ還元させていくことに繋がると考えます。

 将来的には、神戸地域の健康・診療施設や神戸医療産業都市に参画している企業とも連携することで産官学の連携を強化し、日本最大級のバイオメディカルクラスターである利点を活かし、「オール神戸」によるイノベーションの創出を目指してまいります。
 
【神戸バイオリソース事業の概要】
Kobe Bioresource Business
 
【「一般社団法人BioResource Innovation Hub in Kobe」の概要】
  設立日: 2019年10月25日
  所在地: 神戸市中央区港島中町6丁目9番1(神戸国際交流会館内)
  事業内容: バイオリソースおよび付随する臨床情報に対する研究・開発のニーズ探索、共同研究マネジメントなど
  役員: 代表理事 辻本 研二
    理事 三重野 雅文
    理事 村上 雅義
    監事 藤澤 正人
    監事 橘 修三
  URL: https://brih-k.or.jp
     
 
 
【注釈】
  ニーズドリブン型:
    製薬企業、診断薬企業、医療機器メーカーおよび研究機関のニーズを汲み取り、戦略的に必要な検体・臨床データの収集を行うこと。
   

 
 以上
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    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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