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フローサイトメーターを用いた臨床検査業務の効率化を支援する前処理装置「Sample Preparation System PS-10」を北米で発売

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒 以下「シスメックス」)は、フローサイトメトリー(FCM)を用いて白血病や悪性リンパ腫診断の詳細解析などを行うクリニカルFCM検査の市場において、その検体の前処理を自動で行う「Sample Preparation System PS-10」を米国食品医薬品局(FDA)に市販前届出し、2019年8月より北米市場で発売します。PS-10は、煩雑なFCM検査の検体の前処理工程を自動化し、効率的なワークフローを実現するとともに、FCM検査の標準化にも貢献します。今後、測定装置となるフローサイトメーターの製品開発および臨床有用性の評価を進め、PS-10を含めたクリニカルFCMシステムとしてのグローバル展開を目指します。

 フローサイトメトリーは、微細な粒子を流路に流し、流路中を流れる個々の粒子を光学的に分析する技術で、シスメックスの血球計数装置や尿沈渣分析装置の基本原理として採用されています。その技術を用いた測定装置であるフローサイトメーターの用途は、臨床検査等のクリニカル領域から製薬企業や大学でのがん研究や再生医療などのリサーチ領域、食品や飲料の品質管理などのインダストリー領域まで多岐にわたります。クリニカル領域では、白血病や悪性リンパ腫などの血液疾患の診断、HIV患者の免疫機能のモニタリングや治療方針の検討などに活用されています。これらのクリニカルFCM検査においては、検体や試薬の分注、撹拌操作、試薬反応などの前処理に煩雑かつ時間のかかる手作業工程が多く、臨床検査技師の大きな負担になっていることが医療現場の課題となっています。
 シスメックスは、主力の検体検査分野で培った細胞測定技術を活用し、これらFCM検査の前処理から測定結果報告までの工程を自動化するクリニカルFCMシステムの確立を目指して、製品開発および臨床有用性の評価を進めています。
 
 このたびFDAに医療機器としての市販前届出を実施したPS-10は、お客様の多様なニーズに合わせて、複雑かつ時間を要するFCM検査の前処理工程を自動化することで、検査の効率化・作業負担の軽減および検査の標準化に貢献します。これにより、臨床検査技師は、より高い専門性が求められる測定結果の分析・解析に注力することが可能となります。
 まず2019年8月より、クリニカルFCM検査の最大市場である北米市場を対象にPS-10を発売し、市場開拓を加速します。さらに、将来的なクリニカルFCMシステムとしてのグローバル展開を見据えて、測定装置となるフローサイトメーターについても世界各国で必要な薬事許認可取得に向けた活動を進めていきます。
 
 シスメックスは、今後も検体検査事業で培った技術・経験や、グローバルな販売・サービスネットワークを活用し、検査・診断の質の向上に貢献していきます。
【新製品の概要】
  販売名: Sample Preparation System PS-10
  対象市場:
米国・カナダ 
※各国での薬事認可等の対応後、順次拡大予定
  発売時期: 2019年8月
  主な特徴:  
  ・高い処理能力(ドーターチューブ48本/1時間あたり)
  ・モノクローナル抗体バイアルを90本設置可能
  ・抗体試薬設置部に保冷機能を搭載(※対応する抗体試薬のみ)
  ・デュアルプローブによるキャップピアシングと搬送
  ・複数種類の溶血剤に対応
  ・2ローター搭載による連続稼働

【外観】
 以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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