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ヘルスケア分野における新たなイノベーション創出に向けシスメックスと大阪大学が包括連携契約を締結

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒 以下「シスメックス」)と国立大学法人大阪大学(所在地:大阪府吹田市、総長:西尾 章治郎 以下「大阪大学」)は、シスメックスが有する診断技術と大阪大学が有する情報科学分野における知見を活用したヘルスケア分野における新たなイノベーション創出に向け、2019年5月24日に包括連携契約を締結しましたので、お知らせします。両者は、本包括連携契約のもと、2019年5月から2022年3月まで、共同研究、学生研究員支援などにおける提携を行います。

背景

 人工知能(AI)に代表される情報技術は、次世代の産業構造を創り出すイノベーションの中核技術として注目されています。ヘルスケア分野においても、近年、膨大なゲノム情報を取り扱う遺伝子検査の普及や、予防医療への関心の高まりなどを背景として、医療機関が取り扱うデータ量が多様化かつ膨大化しています。膨大化したデータを、医療機関の業務最適化や品質向上、さらには個別化医療に必要とされる精密な診断法や薬効予測技術の開発などに応用するために情報技術へ期待が高まっています。


 シスメックスは、バイオインフォマティクスを中心とした情報解析技術に関する研究開発の強化を目的に、神奈川県川崎市にある殿町国際戦略拠点キングスカイフロント内ライフイノベーションセンターに、新たな研究開発拠点「スカイフロントリサーチキャンパス」を2017年に開設するとともに※1、次世代の医療・診断を支えるITソリューション・プラットフォームの開発・展開を加速するため、株式会社オプティムと「先端医療×AI・IoT」領域で業務提携を行うなど※2、情報技術を活用したヘルスケア分野におけるイノベーション創出に取り組んでいます。

 大阪大学は、2016年にビッグデータの利活用促進を目指した「データビリティフロンティア機構」を設立し、AIをはじめとする高度な情報技術を駆使し、社会的、公共的、経済的価値の創造を促進するための学際研究※3を推進するとともに、実社会の研究者・技術者を対象に育成講座を開講することで、AI分野における即戦力人材の育成にも注力しています。


本包括連携契約について

 シスメックスと大阪大学は、このたび、シスメックスが有する診断技術と大阪大学が有する情報科学分野における知見を活用し、個別化医療や予防先制医療をはじめとした新たな診断技術や、新たなヘルスケア事業の創出に向け、共同研究、学生研究員支援などに関する包括連携契約を2019年5月24日に締結し、2019年5月から2022年3月までの期間において提携を行います。

 共同研究では、ヘルスケア分野における新たなイノベーション創出を目指し、両者が共同で研究テーマを検討・設定し、研究に取り組みます。また、学生研究員支援では、共同研究で設定された研究テーマ、またはシスメックスが独自に進める研究テーマへ、大阪大学の学生が参画することで、学生研究員の育成に取り組みます。2019年8月よりシスメックスの中核研究開発拠点であるテクノパークにおいて学生の受け入れを開始する予定です。

 さらに、シスメックスは、大阪大学が推進するダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)※4に2017 年度より参画し、女性研究員の育成などにも取り組んでおり、本包括連携の共同研究や学生研究員支援においても女性研究員の積極的な参画を推進します。


 シスメックスと大阪大学は、両者のシナジーを発揮し、高度な情報技術を応用したヘルスケア分野におけるイノベーション創出を通じて、医療の発展と人々の健やかな暮らしの実現に貢献します。

 

 

【注釈】

  ※1 シスメックス株式会社 2017年6月1日リリース『個別化医療の実現に向けて新たな研究開発拠点を開設』
https://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2017/170601a.html
 
  ※2 シスメックス株式会社 2019年2月6日リリース『シスメックスとオプティム、「先端医療×AI・IoT」領域で業務提携~次世代の医療・診断を支えるITソリューション・プラットフォームの開発・展開を加速~』 
https://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2019/190206a_j.html
 
  ※3 学際研究とは、単独の学問分野では解決困難な課題に対し、異なった学問領域に所属する研究者が協働することで実施する横断的研究のことを指す。特に、データビリティフロンティア機構では、データ駆動型の研究促進を多様な分野で展開するための学際研究、並びに、データ活用時の倫理的・法的・社会的リスクへの対応を、人文社会系と情報系の協働により実施する学際研究を指す。
 
  ※4 ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型):
文部科学省が実施する、機関や地域の特色を踏まえた女性研究者の活躍推進に向けた組織全体としての目標・行動計画を設定、公表する機関を対象とし、女性研究者のライフイベント及びワーク・ライフ・バランスに配慮した研究環境の整備や研究力向上のための取組及び上位職への積極登用に向けた取組を支援する事業。
http://www.jst.go.jp/shincho/josei_shien/program/index.html

以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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