シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒 以下「シスメックス」)は、技術革新に伴うヘルスケア領域のさらなる発展を見据え、新たな検査・診断価値の創出によるグループの持続的な成長と、それを支える経営基盤の強化を推進するために、新たに2025年を最終年度とする長期経営目標を策定しました。
医療費高騰を背景とした先進国における医療の効率化、経済発展を背景とした新興国における医療インフラの整備と医療の質の向上などのニーズから、世界のヘルスケア市場は今後も継続した成長が期待されます。また、人工知能(AI)やビッグデータ解析など最先端技術のヘルスケア領域への応用や、分子診断技術※1の進歩によるゲノム医療を含む個別化医療、再生医療の進展など、さらなる成長機会も見込まれています。
これまでシスメックスは、特徴のあるヘルスケアテスティング企業を目指して、グローバルに販売・サービスネットワークを構築するとともに、検体検査領域を中心とした製品ラインアップの充実に加え、IoTを活用した先進的なサービス&サポートをいち早く提供するなど、独自のソリューションを創出し続けることで継続的な成長を実現してきました。
このたび、創立50周年という節目を迎え、グループの持続的な成長とそれを支える経営基盤の強化を推進することを目的に、新たに2025年を最終年度とする長期経営目標を策定し、長期ビジョン「Unique & Advanced Healthcare Testing Company(特徴のある先進的なヘルスケアテスティング企業)」とこれに基づくポジショニングを設定しました。
新たな長期経営目標に基づき、ヘマトロジー(血球計数検査)分野、尿検査分野、凝固検査分野、免疫検査分野から構成されるコア事業のポートフォリオ強化・拡充により、さらなる成長を実現します。患者さんの身近な場所で行われる初期診療であるプライマリケア領域においては、検体検査で蓄積した診断技術とITを活用することで新たなサービスを創出します。
また、当社独自技術とオープンイノベーションにより獲得した技術の融合を通じた個別化医療に資する新たな診断技術の創出と、ライフサイエンス分野を中心とした事業の収益化による事業構造の変革を目指します。
さらに、今後の事業活動の拡大を支え、かつグループの戦略目標の実現に不可欠な人材の獲得・育成とともに、多様なステークホルダーから支持され続ける会社を目指し、製品ライフサイクルおよび事業所活動における環境配慮、事業活動を通じ新たな診断価値の創出による社会への貢献、ガバナンスやリスクマネジメントなどの経営基盤の強化へも取り組んでいきます。
シスメックスは、これまで検体検査領域で培った技術・事業ノウハウを活かし、最新のテクノロジーを用いた新たな診断技術の創出に挑戦し続けることで、長期ビジョン「Unique & Advanced Healthcare Testing Company」に基づくポジショニングを達成し、これからもヘルスケアの進化・発展へ貢献し続けます。
【シスメックスグループ長期経営目標】
(1) 2025年に向けた長期ビジョン | |||
Unique & Advanced Healthcare Testing Company 『特徴のある先進的なヘルスケアテスティング企業』 |
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(2) ポジショニング | |||
① |
新たな診断価値を創出するIVD※2グローバルTop5 グローバルに成長し続ける検体検査市場のシェア拡大に加え、新たな診断価値の創出を通じて、コア事業(ヘマトロジー分野、尿検査分野、凝固検査分野、免疫検査分野)の持続的な成長を実現することでIVD グローバルTop5 を目指します。 |
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② | 治療を最適化する個別化診断のリーディングカンパニー 遺伝子、細胞およびタンパクの自社測定プラットフォームと、オープンイノベーションなどにより獲得した新たな技術、知見を融合することで、治療方法の選択に際して重要な鍵となる新たな検査・診断価値を創出し、個別化医療の実現をグローバルにリードします。 |
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③ | プライマリケアの進展に貢献するソリューションプロバイダー これまで検体検査領域で培った診断技術とITを活用することで、より患者さんに身近な場所で行われる初期診療において医師、看護師、検査技師など、医療従事者に必要とされるソリューションを提供し、医療アクセスの向上を目指します。 |
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④ | 価値と安心を提供する魅力あふれる会社 独創的な技術やビジネスモデル、活力ある人材、健全かつ先進的な企業経営により、社会に価値を提供し続ける企業として、多様なステークホルダーからの支持獲得を目指します。 |
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⑤ | スピード豊かな経営を実践するOne Sysmex 多様な人材が活躍できる魅力ある職場の実現により、グループ全体として最高のチームワークを発揮し、高効率かつスピード豊かな経営を実践します。 |
【注釈】
※1 |
分子診断技術: 組織・体液に含まれるタンパク、DNA、RNAなどの分子を調べることで疾患を特定する技術。 |
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※2 |
IVD(in vitro diagnostics): 一般的には、血液や尿などの検体を用いて身体状態を診断する体外診断を示す。 ここでは、体外診断を行うために実施される検体検査の領域を示す。 |