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凝固第Ⅷ因子定量試薬「レボヘムFVIII 合成基質」を発売

~血友病Aの診断・治療補助に貢献~

   シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、このたび血液凝固検査分野の新製品である、凝固第Ⅷ因子定量試薬「レボヘムFVIII 合成基質」を日本市場に発売します。
    本製品は、合成基質法を測定原理とし、血漿中の凝固第Ⅷ因子の測定に用いられます。また、シスメックスの「全自動血液凝固測定装置 CS-5100/CS-2500/CS-2400/CS-2100i/CS-2000i/CS-1600」で使用可能です。

 体内から血液が失われることを防ぐため、生体には出血を止める働き(血液凝固)が備わっています。さらに血管内で血液が固まりすぎることを防ぐ働き(凝固抑制)や固まった血栓を溶かす働き(線溶)がバランスよく機能しています。これらのバランスが崩れると、血友病※1などの血液が固まらない疾患や、脳梗塞・深部静脈血栓などの血栓を引き起こす疾患の原因となります。

 血友病には不足している凝固因子のタイプによって、血友病Aと血友病Bの2種類があります。血友病Aは、血液中の凝固第Ⅷ因子が欠乏するために止血機能が低下する出血性疾患です。血友病Aの診断には、凝固第Ⅷ因子定量検査が行われ、さらにその治療に用いられる凝固第Ⅷ因子製剤の投与後のモニタリングとしても本検査が行われます。
 凝固第Ⅷ因子定量検査には、主に凝固一段法による検査(APTT試薬を用いる検査)と合成基質法による検査があり、これまで凝固一段法が広く用いられてきました。しかし、凝固一段法は用いる試薬の種類によって測定値が一致しないケースがあることが知られています。
 そのため、欧州では合成基質法の普及が進んでおり、欧州薬局方(European Pharmacopoeia)を発行している欧州評議会(Council of Europe)は全ての凝固因子製剤の力価は合成基質法で測定するよう求めています。また、日本においても日本血栓止血学会より、合成基質法による第Ⅷ因子定量検査を導入することが求められています。※2
 さらに近年、血友病Aの治療における、第Ⅷ因子製剤の投与回数の低減を目指した「半減期延長血液凝固因子製剤」※3の開発が進んでいますが、合成基質法による凝固第Ⅷ因子の定量検査は、半減期延長血液凝固因子製剤投与におけるモニタリングへの活用や、軽症血友病Aの診断補助における臨床症状と測定値の一致性の高さなど、有用性が示されています。

 このたび発売する試薬「レボヘムFVIII合成基質」は、合成基質法による凝固第Ⅷ因子の定量検査を行う試薬です。本試薬は、シスメックスの「全自動血液凝固測定装置 CS-5100/CS-2500/CS-2400/CS-2100i/CS-2000i/CS-1600」で使用可能です。
 これにより、国内外における学会の推奨検査法に対応するとともに、試薬ラインアップ拡充によりお客様の多様なニーズに対応が可能となります。

 シスメックスは今後も患者さんの負担軽減や検査の質の向上に寄与するとともに、お客様に安心をお届けしていきます。

【新製品の概要】 

  販売名: レボヘムFVIII合成基質
  使用目的: 血漿中の第Ⅷ凝固因子の測定
  対象市場: 日本
  対象施設: 大規模病院、検査センター、他
  発売時期: 2017年9月
  保険点数: 229点 
 



【外観】 

 

 

 

【注釈】
  ※1  血友病:
血友病は、血液中の血を固めるタンパク質(凝固因子)の一部が欠乏、またはうまく働かないために止血異常を引き起こす疾患。血友病には血友病Aと血友病Bの2種類が存在し、11種類の凝固因子のうち、8番目の因子(血液凝固第Ⅷ因子)の欠乏または機能低下による疾患が血友病A、9番目の因子(血液凝固第Ⅸ因子)の欠乏または機能低下による疾患が血友病Bである。第Ⅷ因子および第Ⅸ因子の活性が40%未満の場合に血友病と診断され、活性が1%未満は重症、1%以上から5%未満は中等症、5%以上は軽症と分類される。
 
  ※2 血友病部会, 日本血栓止血学会, 2015, 26(4), 468-469.
 
  ※3 半減期延長血液凝固因子製剤:
従来の血液凝固因子製剤よりも血漿中消失半減期が延長されており、3~5日間隔の定期的な投与や、患者さんの状態によっては週1回の投与も可能となり、従来よりも静脈注射の回数が減ることで患者さんへの負担軽減が期待される。
  
以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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