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シスメックス、理研ジェネシス、三井情報によるゲノム医療における協業推進に向けた包括提携契約の締結について

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)とシスメックスの子会社である株式会社理研ジェネシス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 近藤 直人 以下「理研ジェネシス」)、および三井情報株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 小日山 功 以下「三井情報」)は、ゲノム医療における協業推進に向けた包括提携契約を締結しましたのでお知らせします。

 ゲノム医療は、次世代シーケンサー※1などを用いて個々人のゲノム情報(以下「遺伝配列情報」)を調べ、その結果をもとに、より効率的・効果的にがんなどの病気の診断と治療、予防などを行うものです。診断や治療に利用することを目的に、高い品質保証下で遺伝子配列情報を高精度に解析する検査は、クリニカルシーケンス検査と呼ばれており、ゲノム医療の推進にとって重要な要素です。

 シスメックスは、これまで国立がん研究センター(以下「NCC」)中央病院内にクリニカルシーケンスラボ「Sysmex Cancer Innovation Laboratory(以下「SCI-Lab」)」を設置し、次世代シーケンサー、NCCが開発した遺伝子診断パネル※2、NCCと三井情報が共同開発した解析プログラムから構成される「がん関連遺伝子パネル検査システム」を用いて患者さんの検体(がん組織)の網羅的な遺伝子解析を行い、治療方針の決定や投薬の判断などへの活用を目指した研究を実施してきました。
 また、シスメックスの子会社であり、国内で初めてCLIA※3を取得した実績を持ち、品質管理に強みを有する理研ジェネシスがSCI-Lab の運営を行うことで、国際的な品質保証基準に準拠した信頼性の高い検査を提供してきました。

 このたび、シスメックス、理研ジェネシスおよび三井情報は、ゲノム医療における協業推進を目的に包括提携契約を締結しました。
 本包括契約の下、2017年2月28日に厚生労働省より体外診断用医薬品の先駆け審査指定制度※4として初の対象品目の指定を受けた、「がん関連遺伝子パネル検査システム」の開発に3社で取り組みます。また、理研ジェネシスと三井情報は業務提携契約を締結し、新たながんクリニカルシーケンス検査受託サービスを開始します。本サービスでは、検体の測定から解析までを国内で実施するため、患者さんへより迅速な検査結果の報告が可能となります。

 シスメックスは、患者さん一人ひとりに適した医療の実現に向け、新たながん診断法を一日も早く患者さんにお届けすることで、医療の発展と進化に貢献していきます。

【注釈】  
  ※1  次世代シーケンサー:
遺伝情報を持つDNAの塩基およびこの配列を、同時並行で大量に読み取る解析装置。
 
     
  ※2

 
遺伝子診断パネル:
診療上重要な複数の遺伝子の変異、増幅や融合を同時に解析することができるアッセイキット。国立がん研究センターが中心となり開発された遺伝子診断パネルは、日本人に特徴的な遺伝子変異を適切に診断できるように作られている。
 
  ※3
 
CLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendment; 米国臨床検査室改善法):
呼称“クリア”
米国の臨床検査室改善法で検査の精度管理を行うもの。その認証を受けたラボは、定期的な査察などによって品質維持を図ることが求められ、検査における品質管理を保証するものとなる。
 
  ※4
 
先駆け審査指定制度:
国内の患者さんに世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指し、下記の4つのすべての指定要件を満たす画期的な新薬等について、開発の比較的早期の段階から先駆け審査指定制度の対象品目に指定し、薬事承認に係る相談・審査における優先的な取り扱いの対象とするとともに、承認審査のスケジュールに沿って申請者における製造体制の整備や承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで、さらなる迅速な実用化を図る制度。指定要件は以下の4点。
①新作用機序の画期性、②対象疾患の重篤性、③極めて高い有効性、④世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思
     
     

                                                                     以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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