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ナミビア共和国への検査室品質管理支援事業がJICA民間技術普及促進事業に採択

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)が、提案した、アフリカ ナミビア共和国(以下、「ナミビア」)における「臨床検査室品質管理技術普及促進事業(検査室運営改善のための品質管理支援システム普及促進事業)」が、独立行政法人国際協力機構(以下、「JICA」)が公募した、2015年度第2回「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」に採択されましたのでお知らせします。
 今後、JICAの支援を得ながら本事業を推進していきます。

 ナミビアは、豊富な鉱物資源を背景とした経済基盤と民主的な政治運営により、2015年の一人当たりGNI(国民総所得)は5,210ドルで、サブサハラ地域※148カ国中7位と高所得国です。しかし、医師数は人口10,000人対3人※2と、医療人材およびインフラの不足とともに医療の品質確保が課題となっています。また、血液や尿を採取して検査する検体検査は、病気の診断や治療に不可欠であるものの、環境が整備されていない中での検査実施により、患者さんへの適切な検査結果提供の妨げとなっています。
こうした背景から、ナミビア政府では公立医療機関の品質改善施策を展開中であり、臨床検査室においては、臨床検査室に特化した品質マネジメントシステム規格ISO15189認証取得による品質改善施策が実施されています。

シスメックスはこれまで、アフリカ地域においてISO15189に準拠した臨床検査室の品質管理システム運用マニュアル「Sysmex Quality Guidance Manual」(以下、「SQGM」)を用いたメンターシップ※3プログラムを実施しており、既にザンビア保健省とジンバブエ保健省において、パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)※4を締結し、サポートを推進しています。

今回採択された事業は、ナミビア政府から臨床検査事業の運営管理を委託されているNamibia Institute of Pathologyが管轄する施設に対して、当社の血液分析装置XN-1000、オンライン保守管理システムSNCS ®※5、SQGMを用いたメンターシッププログラムの提供を通じて、国際基準に適合した臨床検査室の品質管理システムを構築し、医療提供レベルの向上を図るものです。
将来的には、ナミビア、ザンビア、ジンバブエでの実績を布石にアフリカの検査品質向上に向け、近隣諸国への水平展開も目指しています。

今後もシスメックスは、医療の標準化および質向上に寄与することで、開発途上国を含めた世界中のお客様に安心をお届けしていきます。

【JICA民間技術普及促進事業について】
 日本の民間企業等の製品・技術やノウハウ、システムに対する相手国政府関係者  
等の理解を促すことで相手国の社会・経済開発へ活用する事を目的とし、技術指
導や現地セミナー、自社機材の実証等を支援するスキーム。
経費(委託費用):1件2,000万円を上限
実績:過去5回の公示で合計247件の応募、67件採択
詳細:http://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/kaihatsu/index.html

【注釈】

※1


※2


※3




※4



※5

 
サブサハラ地域:
アフリカ大陸のサハラ砂漠よりも南に位置する地域の総称。

出典:WHO報告書(2009年)
(参考)10,000人当たり医師数 日本:22人、アメリカ合衆国:24人

メンターシップ:
人を単に管理するという発想ではなく、組織の方向性や価値観を明確にした上で、事業に関わる全ての人の成長と成功を追求し、人を動機付け、能力を向上させるように導く姿勢やスキル、また、その仕組みによって組織を活性化していくマネジメントのこと。

パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP):
開発途上国のインフラ事業に、官と民が連携して公共性の高い事業などをより効率的・効果的に行うことを目指す方式。

SNCS(Sysmex Network Communication Systems):
お客様の分析装置と、当社のカスタマーサポートセンターをインターネットでオンライン化することにより、リアルタイムの外部精度管理・装置状態の自動監視や、Webによる情報提供を行うサービスのこと。
 

以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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