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理研ジェネシスの株式追加取得による子会社化

~ゲノム医療の実用化に向けて体制を強化~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、このたび凸版印刷株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:金子 眞吾 以下「凸版印刷」)と共同で出資する関係会社、株式会社理研ジェネシス(本社:東京都、代表取締役社長 近藤 直人 以下「理研ジェネシス」)の株式を凸版印刷より追加取得し、当社の子会社といたしましたのでお知らせします。
 今後、ゲノム医療※1の実用化に向け、遺伝子解析センター※2を新たに設置するなど、体制を強化してまいります。

 患者さん個々の遺伝子情報を調べ、その結果をもとに、効率的かつ効果的に疾患の予防、診断、治療を行う個別化医療のニーズが高まっています。
 理研ジェネシスは、最先端の遺伝子解析技術とバイオインフォマティクス※3を活用した遺伝子受託解析サービスおよび製品を提供し、個別化医療における技術、経験、ノウハウを保有する企業です。国内で最初に米国の臨床検査品質管理基準CLIA※4を取得するなど、国際品質基準に基づいた信頼性の高い検査を提供しています。
 シスメックスは、2014年に個別化医療における遺伝子検査事業の発展のため、理研ジェネシスに出資し、36.5%の株式を保有しました。以降、両社は国立がん研究センター内に設置したSysmex Cancer Innovation Laboratoryを共同で運営するとともに、クリニカルPCR※5の開発など個別化医療の実現に向けた取り組みを行ってきました。

 このたび、シスメックスは理研ジェネシスとのシナジーをより強化し、個別化医療の実現に向けた取り組みを加速させるため、理研ジェネシスの株式を凸版印刷より追加取得し、当社の子会社としました。また、社長にはNGS※6において豊富な経験を有する近藤氏を迎え、新たな経営体制でスタートしました。
 今後、個別化医療においてニーズが高まっているゲノム医療の実用化に向け、NGSを中心とした最新鋭の遺伝子解析センターを国内に新たに設置し、CLIA基準下での受託測定が可能な体制を構築する予定です。

 シスメックスと理研ジェネシスは、遺伝子解析検査による個別化医療の実現に向け、研究開発・事業展開に取り組んでまいります。


 

【株式取得後の株式保有比率】

  ・シスメックス株式会社: 64.7% 
  ・凸版印刷株式会社: 35.0%
  ・株式会社理研ベンチャーキャピタル: 0.3%

【株式会社理研ジェネシス 社長略歴】

  氏名: 近藤 直人(こんどう なおと)
  出身地: 岐阜県土岐市
  生年月日: 1956年 3月16日
  学歴: 1983年 3月 名古屋大学大学院農学研究科生物有機化学専攻卒業 農学博士
  略歴: 1984年 4月 日本臓器製薬株式会社入社
    1989年 1月 日本分光株式会社入社
    1994年 3月 横河アナリティカルシステムズ株式会社(現アジレント・テクノロジー)入社
    2006年 2月 イルミナ株式会社入社
    2007年 1月 イルミナ株式会社 代表取締役 就任
    2012年 1月 理化学研究所入所
    2016年 6月 シスメックス株式会社入社 (株式会社理研ジェネシスへ出向)
            株式会社理研ジェネシス 代表取締役社長 就任
 

【注釈】

  ※1 ゲノム医療: 遺伝子情報と病気の関係を解析し、発症リスクのある疾患の予防や、より効果的な治療の選択を可能とする医療。
  ※2 遺伝子解析センター: 遺伝情報を持つDNAの塩基およびこの配列を、同時並行で大量に読み取る次世代シーケンサーなどの遺伝子情報解析装置を設置し、遺伝子情報受託解析サービスを提供する施設。
  ※3 バイオインフォマティクス: 遺伝子情報などの生命に関係する膨大なデータを、コンピュータを用いて分析し、生命現象を解明するための情報技術。特にここでは、遺伝子情報と病気の関係を解析する技術を意味している。
  ※4 CLIA:
 
(Clinical Laboratory Improvement Amendment; 米国臨床検査室改善法)
米国の臨床検査室改善法で検査の精度管理を行うもの。その認証を受けたラボは、定期的な査察などによって品質維持を図ることが求められ、検査における品質管理を保証するものとなる。
  ※5 クリニカルPCR: 病理検体をセットするだけで、DNA抽出から遺伝子異常の解析までを全自動で行うことで、臨床現場での簡便な遺伝子検査を実現する装置。
  ※6 NGS:
 
(Next-Generation Sequencer: 次世代シーケンサー)
遺伝子情報を持つDNAの塩基およびこの配列を、同時平行で大量に読み取る解析装置。
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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