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転移性大腸がんの血中RAS遺伝子変異バイオマーカー検査をドイツの病院で運用開始

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)の子会社であるシスメックス アイノスティクス(以下、アイノスティクス)と独メルク社が共同で開発した、転移性大腸がんにおける血中RAS遺伝子※1変異検査「OncoBEAMTM※2 RAS CRCテスト」(研究用)をドイツの病院において運用を開始しました。

 アイノスティクスと独メルク社は、2014年5月に血中遺伝子検査技術による大腸がんコンパニオン診断薬※3の共同開発契約を締結し、以降、アイノスティクスは独メルク社が既に発売している転移性大腸がんの抗がん剤(製品名:アービタックス®)を対象としたコンパニオン診断薬の開発に取り組んできました。
 

 このたび、アイノスティクスと独メルク社が共同で開発した転移性大腸がんにおける血中RAS遺伝子変異検査「OncoBEAMTM RAS CRCテスト」(研究用)が、スペインに続き、ドイツのUniversitätsklinikum Knappschaftskrankenhaus Bochum(ルール大学ボーフム・鉱員共済組合病院)でも運用開始されました。今後も欧州各地域を中心に順次展開する予定です。
 

 本検査により、従来の患者さんから採取したがん組織を用いた生体検査と比較し、より迅速かつ容易にRAS遺伝子変異を特定することができます。これにより、患者さんの個々に最適な転移性大腸がん治療に貢献します。
なお、本検査は数ヶ月以内にCEマーク(欧州整合規格)認定を受ける予定で、認定されると通常の診断に用いることが可能となります。
 

 シスメックスグループと独メルク社は、新たな血液検査の提供を通じ、がん治療領域における個別化医療の発展に貢献していきます。

 


  ※1 RAS遺伝子:

RAS遺伝子が変異するとがんを引き起こすことが知られている遺伝子。
 

  ※2 OncoBEAMTM




※3 コンパニオン診断薬:
Johns Hopkins大学が開発したBEAMing技術(Bead, Emulsion, Amplification, and Magneticsの各頭文字をとって命名されたもので、高感度PCR技術とフローサイトメトリー技術を融合させた遺伝子解析手法)によって血中の微量遺伝子変異を検出する技術名称。

医薬品の効果や副作用を投薬前に予測するために行われる臨床検査のこと。


【参考】
アイノスティクスのリリース(英文)
http://www.sysmex-inostics.com/news-and-events/press-releases/blood-based-ras-biomarker-test-now-available-in-germany-429.html
以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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