ニュース

ニュース

片倉工業株式会社の生物科学研究所の譲受について

~カイコで生産するタンパク質を用いた診断薬製品の開発・生産技術力の強化~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、片倉工業株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:竹内 彰雄、以下「片倉工業」)の生物科学研究所(松本分室を除く)を譲受することに合意いたしました。片倉工業の生物科学研究所では、診断薬の原料となるタンパク質を、カイコを用いた遺伝子組換え技術により生産しており、当社でも2009年3月より活用を図ってきました。
 今回の譲受により、シスメックスでは、2011年4月1日から遺伝子組換えタンパク質を用いた免疫、生化学、血液凝固検査をはじめとするノンヘマトロジー分野およびライフサイエンス領域での診断薬製品の開発・生産技術力をさらに強化していきます。

 臨床検査は、病気の診断や治療方針の決定、病気の経過観察などにおいて重要な役割を果たしてきました。近年では、従来の検査方法に加え、遺伝子診断など新しい検査技術が生み出され、病気の予防や早期発見、早期治療に向けて、検査機器・診断薬の開発が進められています。
 一方で、動物(哺乳類)由来の原料を使用する一部の診断薬製品は、新興国の台頭にともない使用量増加や動物での感染症の流行で原料調達に影響を受けるなど、製品のさらなる安定供給が求められています。
 
 シスメックスは、製品のさらなる安定供給および品質安定のため、動物由来の原料に依存しない診断薬の開発とともに医療的価値の向上を目指してタンパク質を設計・量産する技術の強化を進めてきました。 
2000年から原料開発にも注力し、開発体制を整備し、遺伝子組換え技術やモノクローナル抗体生産技術を強化し、診断薬製品への活用を図ってきました。
 
 一方、片倉工業の生物科学研究所では、同社が長年培ってきたカイコの飼育技術をバイオ事業に応用し、短期間で高効率にタンパク質を産み出すカイコ発現系に着目し、タンパク質受託生産サービスの展開を進め、技術力の強化を図ってきました。
 
 このたび両社は、シスメックスが培ってきた診断薬製品の開発・生産技術と、片倉工業のカイコを用いたタンパク質の生産技術を組み合わせることで、相互技術のシナジー効果により、さらに医療に貢献できるものと考え、今回の合意に到りました。また、これまでに片倉工業が受託してきたタンパク質生産サービスも同様に継続します。
 
 今後シスメックスは、免疫、生化学、血液凝固検査をはじめとするノンヘマトロジー分野およびライフサイエンス領域での診断薬製品の開発・生産技術力をさらに強化し、医療へのさらなる貢献を目指していきます。

【譲受け概要】
(1)事業譲受け日: 2011年4月1日
(2)譲受け内容 : 片倉工業株式会社・生物科学研究所(松本分室を除く)
カイコを用いたタンパク質受託生産サービス
 
【片倉工業株式会社の概要】
(1) 会社名 片倉工業株式会社
(2) 代表者名 代表取締役社長 竹内 彰雄
(3) 所在地 東京都中央区銀座一丁目19番7号
(4) 事業内容  繊維事業、医薬品事業、機械関連事業、サービス事業(ホームセンター、ショッピングセンターなど)、その他昆虫関連技術を利用したバイオ事業
 (5) ホームページ  http://www.katakura.co.jp


 
以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

ニュースへ戻る