シスメックス株式会社

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2018年12月27日

イメージングFCM技術を活用しFISH検査を自動化する研究用フローFISH検査システムの市場導入を開始

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒 以下「シスメックス」)はイメージングFCM技術※1を活用し、血液中の細胞を用いて、染色体異常を調べるFISH検査※2を自動化する「イメージングフローサイトメーター MI-1000」および「ソフトウェア MI FISH Master」(以下、「本システム」)を開発し、研究用として市場導入を開始します。
 研究市場において、本システムを用いて自動化されたFISH検査(以下、「フローFISH検査」)の有用性検証を推進することにより、臨床用として活用可能なフローFISH検査を早期に確立し、FISH検査の効率化・標準化を目指します。

 FISH検査は、疾病に特異的な染色体異常が見られる慢性骨髄性白血病(CML)などの診断に用いられる染色体の検査方法の一つです。現状は、血液中の細胞を用いて、光学顕微鏡により染色体中の正常・異常遺伝子を目視で検出しているため、検査対象となる細胞数が限定的であること、また診断には専門的な技術が必要とされることに加え、検査に多大な労力が必要となることなどが課題となっています。

 シスメックスは、血液や体液から、がんなどの疾病の検査を行うリキッドバイオプシー※3の拡充に向けて、血液・体液中に存在する遺伝子、細胞、タンパク質などの測定技術の研究開発を推進しています。そのうち、細胞測定技術への取り組みの一つとして、イメージングFCM技術を活用したFISH検査の自動化システムの開発を進めてきました。

 このたび開発した「イメージングフローサイトメーター MI-1000」および「ソフトウェア MI FISH Master」は、大量の細胞形態・蛍光画像を高速かつ高精細に撮像し、それらの画像を自動分析するイメージングFCM技術を活用することにより、血液中の細胞に含まれる染色体異常を自動で検出します。
(フローFISH検査の解説動画:https://youtu.be/7_Su8fBRJaA
 フローFISH検査では、約10分間で10,000個以上の細胞を全自動で検出するため、検査の効率化・標準化へ寄与するとともに、従来の目視によるFISH検査と比べて、20から100倍の数の細胞測定を可能とすることで、再現性の向上を実現しました。

 本システムは、研究用として慢性骨髄性白血病の検査項目であるBCR-ABL※4をはじめとする、白血病領域のFISH検査項目から適用を開始し、今後は子会社であるOxford Gene Technologyが保有する高品質かつ幅広いFISHプローブ※5のラインアップを活用することで、順次フローFISH検査の項目拡充を予定しています。また、国内外の製薬企業やKOL(Key Opinion Leader)と連携し、フローFISH検査の有用性検証を推進し、臨床用として活用可能なフローFISH検査の早期確立を目指します。

 なお、シスメックスは製薬企業や大学との共同研究を通じて、「イメージングフローサイトメーター MI-1000」を活用した血中循環がん細胞(CTC※6)測定法確立にも取り組む予定です。

 今後もシスメックスは、個別化医療に向けたリキッドバイオプシーに関する新たな検査技術の拡充を推進し、多様化・高度化する検査ニーズに応え、医療の発展と進化に貢献していきます。
 


 

【本システムの概要】

  製品構成: イメージングフローサイトメーター MI-1000
ソフトウェア MI FISH Master
  対象市場: 日本市場より開始(順次、欧米市場へ導入予定)
  主な特徴:  

 

    高速で細胞の蛍光シグナルを検出することにより、FISH検査において作業者の負荷が大きいとされる輝点検出の自動化を実現
    約10分間で10,000個以上の細胞を全自動で検出することが可能
    従来の目視によるFISH検査に対して、細胞検出のハイスループット化による作業者の負担軽減、専用の解析アルゴリズムによる検査の標準化、従来の一般的なFISH検査の20-100倍の数の細胞を測定することによる再現性の向上を実現


 

【外観】


イメージングフローサイトメーター MI-1000
  

     
 

 

【参考】

  2016年3月10日リリース 「メルク社とイメージングFCM製品の共同開発に着手」
http://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2016/160310.html



【注釈】

  ※1 イメージングFCM:
フローサイトメトリー(FCM)は、微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して個々の粒子を光学的に分析する手法のことで、主に細胞を個々に観察する際に用いられる。
イメージングFCMは、大量の細胞を処理できるFCMと、細胞形態・蛍光画像の高速撮像およびそれら画像を自動分析する能力を兼ね備えたメルク独自の技術。
 
  ※2 FISH検査:
特定の遺伝子にだけ結合する蛍光物質を使って染色体の中にある目的の遺伝子を検出する方法。通常のFISH検査は、スライドを顕微鏡で観察する必要があるが、フローFISH検査は、イメージングフローサイトメーターで撮像し、自動解析を行うことが可能である。
 
  ※3 リキッドバイオプシー:
腫瘍など組織の一部を採取して行っていた生体検査(バイオプシー)と同等の性能でかつ患者さんに負担の少ない検査を血液・体液検査で実現しようとするもの。
 
  ※4

BCR-ABL:
慢性骨髄性白血病(CML)などの原因となる染色体異常。白血球のもととなる細胞の9番染色体と22番染色体が染色体異常を起こすことでBCR-ABL遺伝子が生成され、それが原因で白血病を発症する。
 

  ※5 プローブ:
特定のDNAと相補的な塩基配列で構成され、検出する対象となるDNAと結合するように人工的に作製された塩基配列。目的のDNAがどこに存在しているかを検出する際に使用される。
 
  ※6 CTC(Circulating Tumor Cells):
「血中循環がん細胞」または「末梢血循環がん細胞」。原発巣または転移巣から遊離し、血中へ浸潤した細胞を指す。
その数や性質等の変化に関する多面的な解析をすることで、患者さんの病態予測や適切な治療の提供に有用な情報が得られる可能性が期待されている。
 

 
                      以上

※プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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