環境
シスメックスでは、直接的または間接的に発生する温室効果ガスの排出量を削減するため、高効率な空調システムや LED照明、人感センサー、需要電力を計測・監視するデマンド制御など、省エネルギーを実現するための設備の導入を進めています。
機器生産工場のアイ スクエアでは、2022年度より全電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えました。2023年度以降、国内生産工場、研究開発拠点など、国内での自社保有施設の全電力を再生可能エネルギー由来の電力へ順次切り替えていきます。
シスメックス ヨーロッパの試薬生産工場では、太陽光パネルの設置に加え、氷蓄熱空調システム※1を導入し、試薬製造に必要なエネルギーの約35%を補っています。その他EMEA※2、米州をはじめとした各拠点で再生可能エネルギー由来の電力採用を進めています。
シスメックス アメリカでは、本社サイトのLEED認証※3取得に向け、部門横断の「グリーンチーム」を結成し、環境活動を推進しています。電気自動車の充電ポートの設置やLED照明の改善、太陽光パネルの設置など、認定に向けて様々な取り組みを継続して行っています。
取り組み | 会社名 | 内容 |
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設備などの高効率化 | シスメックス株式会社 | 高効率型の空調およびLED照明への切替 生産改革による生産性向上 |
シスメックスRA | 省電力でタイマー付空調設備の導入 | |
シスメックス アメリカ | 全照明のLED化 | |
シスメックス ヨーロッパ | 主要な試薬充填室の照明のLED化、人感センサーの採用 | |
シスメックス アジア・パシフィック |
工場と倉庫の照明のLED化 エアコンプレッサの未使用時は機器を休止させて節電する制御盤を新設 |
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シスメックス インディア | 工場内照明のLED化 | |
済南シスメックス | 天然ガスボイラーの使用(石油ボイラーからの切り替え) | |
シスメックス無錫 | 空調温度の制限設定を活用(夏は26℃、冬は22℃) | |
再生可能エネルギーの導入 | シスメックス株式会社 | 太陽光パネルの設置、自然光採り入れによる節電(アイ スクエア) |
シスメックス アメリカ シスメックス リージェンツ・アメリカ |
電力の50%が再生可能エネルギー由来 | |
シスメックス ヨーロッパ | 使用電力の100%が再生可能エネルギー由来、太陽光パネルの設置 | |
従業員への啓発 | シスメックス ヨーロッパ | 出張時の電車利用に対するインセンティブ付与、カーシェアリング社内サイトの設置、通勤時の自転車提供 |
シスメックス マレーシア | 通勤時にハイブリッド車を使用している従業員にインセンティブを付与 | |
シスメックス インディア | 通勤時に利用している従業員の自家用車は全て、PUC証明※を受けたものであることを確認 | |
シスメックス ブラジル | 社用車の燃料をバイオ燃料に切り替え |
シスメックス株式会社では、約400台ある国内の社用車の燃料消費量を抑えCO2排出量を削減するため、全社用車にテレマティクスを搭載し、各車両の走行量に加え燃費情報・運転挙動などを点数化することで、運転の質の見える化を行っています。また、全従業員向けのエコドライブ研修を実施し、ドライバー一人ひとりの環境に対する意識の向上を図っています。これらの活動が評価され、交通エコロジー・モビリティ財団主催「22年度エコドライブ活動コンクール」で優良認定証をいただきました。低燃費車への切り替えも進めており、2022年度は全体の約30%をハイブリットカーへ切り替えました。
シスメックス ブラジルでは、2022年度より、社用車の燃料をサトウキビ由来のバイオ燃料に切り替え、シスメックスUKでは、ディーゼル車の撤廃と全車両のハイブリッドカーへの入れ替えを進めており、事業所内に充電ポイントを増設しました。
シスメックスでは、試薬生産において水を原料として使用するなど、事業活動の中で上水や地下水を使用しています。そのため、水使用量の削減を重要な課題の一つと位置付け、シスメックス・エコビジョン2033で水使用量の削減目標を設定し、試薬生産工場での水の使用効率を高めるなどの取り組みを進めています。
試薬生産工場である小野工場では、従来、試薬製品製造後に製造ラインである配管内の一部に製品液を残したまま洗浄を行っていましたが、製造プロセスの見直しを行い、配管内に残り廃液となっていた製品液を製品化する技術を獲得しました。西神工場においてもロットサイズの変更を行い歩留まりが向上しました。 このことにより、廃棄ロスの改善に加え、水使用量の削減、排液による環境負荷低減を実現しました。シスメックス ブラジルでは、24時間稼働していた精製水製造設備の洗浄システムを平日のみ稼働するようにプログラム変更することで、水使用量削減とコスト削減を実現しました。
会社名 | 取り組み |
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シスメックス株式会社 |
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シスメックス アジア・パシフィック |
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シスメックス インディア |
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シスメックス ブラジル |
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シスメックス無錫 |
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シスメックスでは、水ストレスに関するリスク評価を行っています。WRI(世界資源研究所)のアセスメントツール Aqueductを用いて分析し、試薬生産拠点がある中国、ブラジル、インドが相対的に水ストレスの高い地域であることが分かりました。現在のところ各試薬生産拠点において水リスクは顕在化しておりませんが、現地と連携してモニタリングを継続するとともに、生産工程における水使用の効率化や安全在庫の確保による供給リスクの低減など、リスク低減に向けた施策を展開しています。
会社名 | 方法 |
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シスメックス株式会社 |
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シスメックスRA |
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シスメックス アメリカ |
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シスメックス アジア・パシフィック |
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済南シスメックス |
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シスメックスでは、グローバルの全試薬生産工場によるプロジェクト「Kaizen活動」を立ち上げ、グループ一丸となって環境負荷低減の取り組みを推進しています。
国内試薬生産工場では、取引先と連携した取り組みを推進しており、段ボールのリユースや過剰包装の見直しをすることで納品用梱包材の廃棄削減を実現しました。2022年度のダンボール廃棄量は、前年と比較し約30トン削減しました。2025年度までにダンボール廃棄量ゼロを目指します。また、重力や自然エネルギー・テコの原理などを利用した「からくり」装置の考案・試作を重ね、製造現場での課題を解決しながら省エネルギーにつながる取り組みを続けています。2021年より「からくり改善くふう展」に出品し、協会特別賞などを受賞しています。
シスメックス リージェンツ・アメリカでは、取引先と連携し、原材料のパッケージをリサイクル可能な容器に変更しました。また、シスメックス アジア・パシフィックでは、廃棄していた化学原料の容器をリサイクルすることで、廃棄物量削減とコスト削減を実現しました。今後もさらなる環境負荷低減活動を推進していきます。
シスメックスでは、事業活動を行うにあたり地球上の生物から多くの恩恵を受けています。国連や金融機関により開発されたENCOREというツールを用いて自然との接点を分析したところ、製造プロセスでの水への依存度と、水質・土壌への影響度が相対的に大きいことが示唆されました。
各生産工場において水資源の有効活用など水リスクの低減を図るとともに、製品設計における環境配慮や廃棄物の適切な管理、森林保全活動を通じて自然への影響を抑え生物多様性の保護に取り組んでいます。
シスメックス株式会社では、地域の水源涵養に寄与する森林の保全を重要な社会的責任の一つと位置付けるとともに、2013年より、試薬生産工場が立地する兵庫県小野市にある「かわい快適の森」の一部を借り受け、「シスメックスの森」として、植樹や下草刈り、間伐などにより森林保全を継続して行っています。
また、ドイツにあるグループ会社HITADOでは、2021年度より地域で行われている森林保全活動「Waldlokal」プロジェクトに参加し、従業員ボランティアによる植樹活動や寄付を通じて、地域の森づくりを支援しています。
シスメックスでは、廃棄物の削減やリサイクル率の向上に継続的に取り組んでいます。
各試薬生産工場では、製造時に使用する消耗品使用量削減や、工程内不良低減による製品包装資材の削減などの取り組みを行っています。機器生産工場である加古川工場では、製造ラインへの部材供給時に発生する梱包材・緩衝材の見直しを行い、年間の廃棄量の低減に繋げています。また、加古川工場では、社員食堂での生ごみの廃棄量を減らすため、専用の処理機を利用して生ごみを有機肥料に変換し、生産農家に提供しています。そこで栽培された農産物を購入するなど、循環共生型社会の実現に貢献しています。テクノパークでは、2023年度より発泡スチロールの溶融機および機密紙用大型シュレッダーを導入し、同事業所内で発生する発泡スチロール全てを再生プラスチック原料へ変換し、有価物として売却することや、シュレッダーくずをトイレットペーパーへ加工・再利用することで廃棄物量の削減に貢献していきます。
会社名 | 取り組み |
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シスメックス株式会社 |
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シスメックス アジア・パシフィック |
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シスメックス マレーシア |
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シスメックス カナダ |
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シスメックス ブラジル |
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シスメックスでは、製品の研究開発や生産工程で化学物質を扱っています。そのため紛失・漏えいの防止はもちろん、現場で作業に従事する従業員に健康被害が及ばないように化学物質の適正管理に努めています。
シスメックスでは、生物由来の物質による万が一の感染の危険性に備え、マニュアルに基づいて保管・使用場所を制限するなど厳重に管理するとともに、一般廃棄物とは厳格に分別して適切に処理しています。また、その他の有害物質についても、飛散の抑制、流出や地下浸透がないように設備・管理手法の両面から対策を講じ、排出を法規制の基準値以下に抑えるよう努めています。