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シスメックスとJVCケンウッドが微細加工技術を用いた検体検査用バイオデバイスの開発・製造会社を共同設立

   シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒 以下「シスメックス」)と株式会社JVCケンウッド(本社:横浜市、代表取締役 会長執行役員 CEO:辻 孝夫 以下「JVCケンウッド」)は、極微量の検体や試薬を反応させる微細な流路を組み合わせた検体検査用デバイス「バイオデバイス」の開発・製造を行う新会社「クリエイティブナノシステムズ株式会社(以下 クリエイティブナノシステムズ)」を共同で設立することに合意しました。クリエイティブナノシステムズは、2018年10月より、バイオデバイスの事業化に向けた研究開発活動を開始予定です。

 シスメックスは検体検査機器・試薬・ソフトウェアの研究開発から製造、販売・サービス&サポートを一貫して行うメーカーとして、価値の高い検査・診断技術の創出に向けた研究・技術開発を推進しています。また、これまでに培った検体検査領域における技術・ノウハウを応用することで、ライフサイエンス領域、および患者さんの身近な場所で行われる初期診療(プライマリケア)領域におけるプレゼンスの強化を目指しています。
 また、JVCケンウッドは、「技術立脚型企業」として、「映像」「音響」「無線」技術を中心に約1万1千件におよぶ知的財産を保有しており、強みである光学ディスクの成型技術・ナノ加工技術を転用・応用することで、今後の成長が期待されるライフサイエンスやプライマリケアを含むヘルスケア領域において、次世代ソリューションの提供による早期事業化を推進しています。

 このような両社の目指す方向性の一致を背景として、シスメックスとJVCケンウッドは、2016年より、個別化医療やがんなどの診断および治療の質を向上する先進的な検査・診断技術の創出を目指して、血液中のエクソソーム診断システムの開発などの協業を進めてきました。
 これらの協業を進める中で、シスメックスが保有する遺伝子・タンパク測定技術を活用した試薬開発力、検体検査領域における知見およびネットワークと、JVCケンウッドが保有する光学ディスク成型技術・ナノ加工技術を融合することにより、ライフサイエンスやプライマリケア領域において需要拡大が予想される迅速・安価・小型の検体検査システムを実現するバイオデバイスの開発・製造が可能であると判断しました。このバイオデバイス事業における協業促進・早期事業化を図るため、新会社を共同で設立することに合意しました。

 新会社クリエイティブナノシステムズが開発・製造するバイオデバイスは、微細加工技術を用いて設計したナノメートルからマイクロメートル単位の微細な流路に試薬などを封入・固定し、検体が流路を流れる際に、成分分離などの前処理や複数の試薬との反応を精緻に制御可能とすることで、小型装置においても極微量な検体の迅速かつ高精度な分析・測定を実現します。同社は、2018年10月より、本社(神戸市)および開発拠点(横須賀市)を開設し、ライフサイエンスやプライマリケア領域で新たな診断価値を提供するバイオデバイスの事業化に向けた活動を開始する予定です。まずは、バイオデバイスの生産技術の確立に向けた研究開発活動に注力し、シスメックスおよびJVCケンウッドと連携し、2020年度以降の本格的な事業化を目指します。

 今後もシスメックスとJVCケンウッドは、新たな診断価値の創出や個別化医療の実現に向けて、両社のシナジーを最大限に発揮することで、世界中の人々の健康に貢献します。
 

  【新会社の概要】
  会社名:  クリエイティブナノシステムズ株式会社
  所在地: 神戸市西区高塚台4丁目4番地の4
  設立時期: 2018年10月
  資本金: 1億円
  出資比率: シスメックス  51%、JVCケンウッド 49%
  役員: 代表取締役社長  吉成 博美
(シスメックス株式会社 技術開発本部 副本部長)
代表取締役副社長 下田 真弘
(株式会社JVCケンウッド パブリックサービス分野 ヘルスケア事業部長)
  事業内容: バイオデバイスの開発および製造


  【注釈】
  ※  エクソソーム:
約 50~100nm の小胞顆粒であり、多くの種類の細胞から分泌され、血液、唾液、尿などの体液中を循環している。エクソソームにはタンパク質、mRNA、microRNA など種々の物質が内包されており、それらががんやアルツハイマー病などさまざまな疾患のバイオマーカーになると近年期待されている。

以上
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