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IRDパネル検査を検討される方へ

遺伝性網膜ジストロフィの患者さんを対象に遺伝学的検査が実施できるようになりました。このページでは遺伝学的検査について説明していきます。これらの情報が、遺伝学的検査をより深く知るきっかけとなり、患者さんに合った検査の選択や治療の相談に役立つことを願います。

各項目をクリックすると、その説明箇所が表示されます。

検査の対象となる患者さんは?

保険収載されている遺伝学的検査の対象

遺伝学的検査は保険収載されております。
検査の対象となる患者さんはRPE65遺伝子の変異が疑われるIRD患者さんです。
ご自身が対象であるか否かにつきましては主治医にご相談ください。

IRD遺伝子パネル検査の特徴

IRDに関連する遺伝子を網羅的に解析して原因遺伝子を特定することで、個々に合わせた遺伝子補充療法やロービジョンケアへつなげます。

個々に合った遺伝カウンセリング・ロービジョンケア計画

主治医の先生や遺伝カウンセラーが患者さんのお悩みや就学就労や家族計画などの将来設計についてお聞きし、遺伝学的検査の結果に基づいて適切なアドバイスやロービジョンケア計画、治療方針をご提案します。例えば視覚補助具の選定であったり、歩行訓練の開始時期、心理的ケアを用いた相談などが当てはまります。

個別化医療の実現

原因遺伝子を特定することによって、遺伝子治療の適用判断補助や個々に合った薬剤の選定補助など個別化医療へ繋げます。

検査の流れ

STEP

1

主治医からの検査説明と遺伝カウンセリング

主治医からの検査の説明をうけ、内容を十分に理解した上で、検査をうける場合は同意書にサインします。
未成年の患者さんが検査を受けられる際には、保護者の同意が必要になります。遺伝性疾患が疑われる方は、遺伝カウンセリングを受けることができます。

STEP

2

検体採取と解析

採血を行い、検査を実施する国内の検査会社へ送付・解析をします。
検査会社へ送る患者さんの情報や検査結果などは、個人情報保護法に従って、適切に取り扱われます。

STEP

3

治療方針の検討

検査結果が病院に届くとエキスパートパネルと呼ばれる専門家による検討会が開催されます。
遺伝子変異が病気の原因となりえるか評価するACMGガイドライン手法に基づいて、その遺伝子変異が本当に病気の原因であるかどうかを判定します。

STEP

4

治療方針の説明

検討会による議論の結果が主治医に伝えられ、個人に合った的確な遺伝カウンセリング、治療計画、ロービジョンケア計画のための情報が提供されます。

遺伝カウンセリング

遺伝カウンセリングとは?

  • 遺伝や遺伝学的検査について、わかりやすく情報を提供
  • 遺伝学的検査の結果の説明や今後についての相談
  • 遺伝的な要因を検討するための家族歴や病歴の確認
  • 遺伝学的検査を受けるかどうかについて相談

対象者は?

  • 遺伝に関わる悩みや不安、疑問などを持たれている方
  • 遺伝学的検査を検討されている方
  • 患者さんだけでなく、そのご家族も対象です。

ご自身の症状のことやご家族への影響について、医療の選択肢について検討したり悩んだりしたときに、一緒に情報や考えを整理し、ご自身の意思で決めることができるように支援します。

遺伝カウンセリングができる施設については、受診されている医療機関にお問い合わせください。

安心して検査を受けていただくために

検査の費用や期間など、検査についてわからないことや
不安に思うことがあれば遠慮なく主治医の先生にご相談ください。

参考文献

監修

近藤 峰生先生(三重大学大学院医学系研究科・医学部 眼科学)
前田 亜希子先生(神戸市立神戸アイセンター病院 研究センター)