Sysmex Journal Web

2013年Vol.14 No.2

論文

心機能のバイオマーカー- BNP とNT-proBNP -

著者

米田 孝司

天理医療大学医療学部 臨床検査学科

Summary

B型ナトリウム利尿ペプチド( BNP )とB型ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント
( NT-proBNP )は,心臓ストレスに応じて心筋細胞から分泌される神経ホルモンである.BNPは心筋細胞の134アミノ酸前プロペプチドから108アミノ酸プロホルモン先駆分子になり,循環血液中のプロテアーゼfurinにより76アミノ酸の生物学的不活発なNT-proBNPと32アミノ酸の生物学的活発なBNPになる.

NT-proBNPの半減期90~120分に対してBNPは22分である.BNPは冷蔵されたEDTA血漿で安定しているが,NT-proBNPは室温で血漿または血清で安定している.したがって,臨床検査においてBNPよりもNT-proBNPの方が使用しやすい.

BNPおよびNT-proBNPは心不全,急性冠不全症候群および冠動脈疾患における心機能異常の感度の高いマーカーであるが,測定値および基準範囲は肥満,加齢,性別および腎機能のような要因の影響を受けるので注意を要する.

Key Words

B 型ナトリウム利尿ペプチド ( BNP ), B 型ナトリウム利尿ペプチド前駆体N 端フラグメント ( NT-proBNP ), 心不全