シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、このたび尿沈渣(ちんさ)検査分野の新製品「全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000/4000/3000」を2015年9月より日本で発売し、順次グローバルに展開していきます。
尿検査は、一次的な検査として行われる尿試験紙を用いた尿定性検査と、尿定性検査で異常と認められた検体をより詳しく分析する二次的な検査の尿沈渣検査に分けられます。尿沈渣検査は、腎疾患、尿路疾患の診断に活用される重要な検査で、尿中に現れる有形成分である赤血球、白血球、細菌などを臨床検査技師が顕微鏡で観察(鏡検)し、分類・計測を行います。シスメックスは、1995年にフローサイトメトリー法を用いた尿中有形成分の自動定量分析をUF-100にて実現しました。2006年には、その後継機種であるUF-1000iを発売し、尿沈渣検査の効率化、標準化に貢献してきました。
このたび発売する「全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000/4000/3000」は、世界中で広く支持いただいているUF-1000iの次世代モデルであり、ブルーレーザー等を採用することで、精度や分画能※1の向上を実現するとともに、尿に加え体液を用いた検査も可能にしました。
さらに、モジュラーコンセプト※2を採用することで、検体数の増加に応じた装置増設の要望にも柔軟にお応えするとともに、将来的には、尿定性検査装置との連携や大規模施設における複数台の搬送接続にも対応が可能となります。
設計コンセプトとして「サイレントデザイン®※3」を採用し、シンプルな操作パネルを搭載する等、お客様のユーザビリティを優先した設計としております。一部試薬にRFID※4カセットタイプを採用することで、試薬の管理・交換がさらに容易になりました。
また、お客様の運用の効率化に貢献する、尿検査部門の検査結果を一括管理できる「尿検査部門情報管理システム U-WAM」を合わせて提供します。
シスメックスは今後も、尿検査分野において価値ある製品を提供し続けることにより、本検査分野におけるグローバルNo.1ポジションの確立を目指します。
【新製品の概要】 | |||
名称: | 全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000/4000/3000 | ||
発売時期: | 日本 2015年9月1日 (海外:各国の許認可取得後、順次発売) | ||
処理能力・対象市場: | |
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UF-5000 |
UF-4000 |
UF-3000 |
処理能力 |
105テスト/時間 |
80テスト/時間 |
105テスト/時間 |
測定項目数 (尿) |
14項目 |
14項目 |
5項目 |
測定項目数 (体液) |
4項目 |
4項目 |
2項目 |
対象市場 (予定) |
全地域 |
EMEA※5、中国、 |
米州、中国 |
関連製品: |
尿検査部門情報管理システム U-WAM (Urinalysis Work Area Information Management System) |
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【特長】 | |||
・ 「モジュラーコンセプト」を採用 ・ 「サイレントデザイン®」を採用 ・ 試薬マネジメント機能を採用 ・ 環境面へ配慮した試薬を採用 ・ SNCS®※6機能標準搭載 |
![]() 全自動尿中有形成分分析装置 UF-5000 |
![]() 分析用試薬 |
【用語解説】 | |||
※1 分画能: | 検体中に存在する複数の有形成分を、成分ごとに分けることを示します。 | ||
※2 モジュラーコンセプト: | 個々の製品を組み合わせることで、多様な製品を生み出すことが可能。また、検体数に合わせ自由自在に増やすことも減らすこともでき、お客様の要望に合わせた提案が可能です。 | ||
※3 サイレントデザイン®: | お客様だけでなく検査室の作業スペースも考慮した、製品デザインとテクノロジーの融合と言えるデザインコンセプト。シンプルながらも、細部までこだわっており、製品を長くご愛用いただくためすべてのシステムに適用しています。 | ||
※4 RFID: | 無線通信によって、媒体のデータ呼び出し・登録・削除・更新などを行う自動認識システムを示します。 | ||
※5 EMEA: | 欧州、中東、アフリカ地域 | ||
※6 SNCS®: | 「Sysmex Network Communication Systems」の略で、お客様の分析装置と、シスメックスのカスタマーサポートセンターをインターネットでオンライン化することにより、リアルタイムの外部精度管理・装置状態の自動監視や、Webによる情報提供を行うサービスのこと。なお、実施するサポートサービスの内容は各地域により異なります。利用には別途契約等(有償)が必要です。 |