シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)の子会社である株式会社理研ジェネシス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 近藤 直人 以下「理研ジェネシス」)は、このたび大規模に遺伝子解析を実施する施設「理研ジェネシスイノベーションゲノムセンター」(以下「本センター」)を殿町国際戦略拠点キングスカイフロント※1(神奈川県 川崎市)に開設しましたのでお知らせします。
本センターには、次世代シーケンサー(NGS)※2やリキッドバイオプシーの最新鋭の遺伝子解析機器を導入し、国際品質基準に基づいた品質で遺伝子解析サービスおよびクリニカルシーケンス検査を行うことで、ゲノム医療の推進に貢献します。
ゲノム医療は、個々人のゲノム情報(遺伝配列情報)を調べ、その結果をもとに、病気の診断と治療、予防などを行うものです。ゲノム医療では、次世代シーケンサー(NGS)等を用いて遺伝子配列情報が読まれますが、その結果を診断や治療に利用するためには、高い品質保証下で遺伝子配列情報を高精度に解析する必要があります。これは、クリニカルシーケンス検査と呼ばれますが、日本国内において、このような検査が実施できる施設は限られています。
理研ジェネシスは、このたび殿町国際戦略拠点キングスカイフロント(神奈川県 川崎市)内のライフイノベーションセンターに、次世代シーケンサーを中心とした最新鋭の遺伝子解析機器を導入した「理研ジェネシスイノベーションゲノムセンター」を新たに開設しました。
理研ジェネシスは、国内で最初のCLIAラボ ※3としての登録実績を持ち、本センターにおいて国際品質基準に基づいた信頼性の高い遺伝子解析サービスを提供します。
また本センターでは、クリニカルシーケンス検査に加え、既存の遺伝子関連解析サービスやシスメックスが開発したリキッドバイオプシー技術であるPSS(Plasma-Safe-SeqS) ※4や、フローFISH検査※5に関する受託解析サービスを5月より順次開始する予定です。
シスメックスと理研ジェネシスは、本センターでの遺伝子解析サービスを通じて、ゲノム医療の推進に貢献します。
名称: | 理研ジェネシスイノベーションゲノムセンター | ||||
場所: |
殿町国際戦略拠点キングスカイフロント ライフイノベーションセンター内 (神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25-22) |
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フロア面積: | 1,352㎡ | ||||
稼動時期: |
2017年5月 |
※1 | 殿町国際戦略拠点キングスカイフロント: 京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区内に位置するライフサイエンス等に携わる企業が集まったオープンイノベーション拠点。革新的なビジネスモデル確立に向けた規制緩和を受けることができるなど国の成長戦略に基づく支援を受けることができる。羽田空港の多摩川対岸に位置し、羽田空港から車で10分の立地。 |
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※2 |
次世代シーケンサー(NGS): 遺伝子情報を持つDNAの塩基配列を、同時並行で大量に読み取る解析装置。 |
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※3 |
CLIAラボ: 米国のCLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendment; 米国臨床検査室改善法)に基づいて認定されたラボのこと。その認証を受けたラボは、定期的な査察などによって品質維持を図ることが求められ、検査における品質管理を保証するものとなる。 |
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※4 |
Plasma-Safe-SeqS (PSS)技術: 解析対象の遺伝子1分子ごとに異なるタグを付けることで、本来の遺伝子変異とエラー(NGSサンプル調製工程や読み取り工程で発生するエラー)とを識別する技術。NGSは低頻度ではあるものの、一定のエラーを起こすため、遺伝子変異が検出された場合、本来の遺伝子変異かNGSにおけるエラーかが分からなくなる問題がある。その問題を解決する前処理技術として期待されている。 |
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※5 |
フローFISH検査: FISH検査は、特定の遺伝子にだけ結合する蛍光標識プローブを使って、染色体の中にある目的の遺伝子を検出する検査手法。通常のFISH検査は、スライドを顕微鏡で観察する必要があるが、フローFISH検査は、イメージングフローサイトメーターで撮像し、自動解析を行うことが可能である。 |
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