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がん関連遺伝子パネル検査システムが厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)が、国立研究開発法人 国立がん研究センター(所在地:東京、理事長 中釜 斉 以下「国立がん研究センター」)と共同で開発を進めている、がん関連遺伝子パネル検査システムは、平成29年2月28日に厚生労働省より、体外診断用医薬品の「先駆け審査指定制度」※1としては初の対象品目の指定を受けることになりましたので、お知らせします。

 ゲノム医療は、個々人のゲノム情報(DNAに含まれる遺伝情報)を調べ、その結果をもとに、より効率的・効果的にがんなどの病気の診断と治療、予防などを行うものですが、質の高い検査システムの構築と、検査における品質管理は、ゲノム医療の実現に向けた課題のひとつとして挙げられています。

 がんのゲノム医療には、がん関連遺伝子パネル※2と次世代シーケンサー※3、解析プログラムが必要となります。「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されたがん関連遺伝子パネル検査システム(以下、本システム)は、その3点から構成され、一度に100種類以上の遺伝子変異を分析することが可能なシステムです。本システムにより、標準治療(抗がん剤治療などを含む)を終えたあるいは終える見込みのがん患者さんの検体(がん組織)から複数の遺伝子異常を一度に検出することで、標準治療後の治療方針の決定を支援することが可能となります。

 これまでにシスメックスと国立がん研究センターは、国際基準に準拠したラボを中央病院内に開設し、ゲノム医療の日常診療への導入に向けた臨床研究を推進してきました。その研究において、国立がん研究センターが開発した遺伝子診断パネル(NCCオンコパネル)を本システムに採用する方針です。

 シスメックスは、患者さん一人ひとりに適した医療の実現に向け、新たながん診断法を一日も早く患者さんにお届けすることで、医療の発展と進化に貢献していきます。

【注釈】  
  ※1  先駆け審査指定制度:
国内の患者さんに世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指し、下記の4つのすべての指定要件を満たす画期的な新薬等について、開発の比較的早期の段階から先駆け審査指定制度の対象品目に指定し、薬事承認に係る相談・審査における優先的な取り扱いの対象とするとともに、承認審査のスケジュールに沿って申請者における製造体制の整備や承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで、さらなる迅速な実用化を図る制度。指定要件は以下の4点。
①新作用機序の画期性、②対象疾患の重篤性、③極めて高い有効性、④世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思
 
     
  ※2




 
がん関連遺伝子パネル:
診療上重要な複数の遺伝子の変異、増幅や融合を同時に解析することができるアッセイキットのこと。NCCオンコパネルは、国立がん研究センターが中心となり開発された遺伝子診断パネルであり、日本人に特徴的な遺伝子変異を適切に診断できるように作られている。
 
  ※3
 
次世代シーケンサー:
遺伝情報を持つDNAの塩基およびこの配列を、同時並行で大量に読み取る解析装置。

 
     

                                                                     以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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