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第14回産学官連携功労者表彰「経済産業大臣賞」を受賞

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)が国立研究開発法人 産業技術総合研究所(つくば本部:茨城県つくば市、理事長:中鉢 良治、以下「産総研」)とともに推進してきた「糖鎖を使った肝線維化診断システムの実用化」が、「第14回産学官連携功労者表彰 経済産業大臣賞」を受賞しました。

 「産学官連携功労者表彰」は、企業、大学、公的研究機関等における産学官連携活動において大きな成果を収め、先導的な取り組みを行うなど当該活動の推進に多大な貢献を果たした成功事例に対して、その功績を称えることで我が国の産学官連携の更なる進展に寄与することを目的とし、平成15年より実施されています。今回受賞した「経済産業大臣賞」は、内閣総理大臣賞を始めとする12賞内のひとつです。

 シスメックスは産総研とともに、NEDOプロジェクト※1の成果をもとに、肝線維化の進行度を糖鎖マーカー※2を用いて血液検査により判定する試薬を開発し、世界初の糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維化検査技術の実用化に成功しました。
 本技術は、進行することで肝臓がんの原因となる恐れがある慢性肝炎・肝硬変へ至る、ウイルス性肝炎に起因する疾病(肝線維化)の進行を、医療機関の臨床検査室などで、従来技術よりも短時間に測定することを可能としました。
 本開発工程において、産総研は、肝線維化の診断における臨床上有用な糖鎖マーカー候補の開発を担当し、シスメックスは、レクチンアレイ※3に代わる自動測定システム(全自動免疫測定装置 HISCLTMシリーズと線維化検査用試薬 HISCLTM M2BPGiTM試薬)を開発しました。

【第14回産学官連携功労者表彰 経済産業大臣賞 概要】

  受賞対象名: 
世界初・糖鎖を使った肝線維化診断システムの実用化
 
  受賞対象者:







 
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門
総括研究主幹 成松 久

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門
上級主任研究員 久野 敦

シスメックス株式会社 ICHビジネスユニット
免疫・生化学プロダクトエンジニアリング本部長 高浜 洋一
 
  受賞理由:

 
産総研が世界にリードしてきた糖鎖研究の成果が、シスメックスとの連携により、世界初の製品化に至った事例。血液検査のみで肝臓全体の状態(発がんリスク等)を把握できるようになり、慢性肝炎患者の即日検査(20分以内)を可能にした。
     
     
シスメックスは、引き続き、産学官連携による研究開発を加速させ、先端技術の実用化に向けた取り組みにさらに力を入れて取り組んでいきます。


【関連リンク】
  内閣府HP http://www8.cao.go.jp/cstp/sangakukan/sangakukan2016/7_keisan.pdf
  経済産業省HP http://www.meti.go.jp/press/2016/08/20160819002/20160819002.html
  実用化リリース
保険適用リリース
http://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2013/131226.html
http://www.sysmex.co.jp/corporate/news/2015/150105.html

 

【第14回産学官連携功労者表彰式】
     
 
【注釈】  
 ※1








 
NEDOプロジェクト:
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)は、日本最大級の公的研究開発マネジメント機関として、経済産業行政の一翼を担い、「エネルギー・環境問題の解決」および「産業技術力の強化」の二つのミッションに取り組む。「糖鎖合成関連遺伝子ライブラリーの構築プロジェクト(2001-2003年度)」、「糖鎖構造解析技術開発プロジェクト(2003-2005年度)」で開発された基盤技術をもとに「糖鎖機能活用技術開発プロジェクト(2006-2010年度)」が実施され、本件試薬に繋がる成果が得られた。

 
 ※2




 
糖鎖マーカー:
細胞表面や血液中のタンパク質上に存在する糖が連なった物質。「細胞やタンパク質が羽織る衣装のようなもの」とも例えられる。個々の細胞に特異的な情報伝達や細胞間コミュニケーションなどの役割を果たしている。糖鎖マーカーは糖タンパク質に存在する糖鎖の構造変化をターゲットにしたバイオマーカー。
 
 ※3
 
レクチンアレイ:
国立研究開発法人 産業技術総合研究所が有する、世界初の糖鎖プロファイリング技術。

 
以上
  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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