シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、このたび公益社団法人発明協会が主催する近畿地方発明表彰を受賞しました。地方発明表彰は、優れた技術やデザインを生み出した発明者等を顕彰するもので、大正10年より続く歴史ある表彰です。
【受賞発明の概要】
(1) 特許庁長官奨励賞
意匠の名称:検体分析装置(意匠登録第1419306号)
本意匠は、臨床検査現場で使用される血液検体を分析するための検体分析装置に関するもので、当社の主力商品である全自動血球計数装置XNシリーズに採用されています。
全自動血球計数装置XNシリーズは、機能・性能の向上に加えて、検体検査室の環境改善、臨床検査技師の負担軽減のため、ユーザビリティを含む製品デザインのあり方を根本から見直した「サイレントデザイン®」のコンセプトのもと創作されています。臨床検査技師の動きを考慮した人間中心のデザインとすることで、より正確かつ迅速な検体検査を実現し、ひいては患者さんのQOL(Quality Of Life)向上に貢献しています。
また、本件は実施化に顕著な功績があると認められ「実施功績賞」も受賞しました。今回の受賞の他、国内では2011年「グッドデザイン金賞」、2013年には世界的に権威のあるドイツの「iF product design award 2013」を受賞し、さらに「German Design Award」も受賞しています。
(2) 発明奨励賞
発明の名称:細菌の検出方法及び試薬(特許第3837006号)
本発明は、尿試料中に存在する細菌を精度よく計数するための細菌の検出方法及び試薬に関するもので、無機塩、カチオン性界面活性剤を含みpHが酸性の希釈液と、色素を含む染色液とを用いた試薬にて細菌を染色して、フローサイトメータを用いて細菌を検出します。これにより、試料中に結晶、無晶性塩類、細胞断片などの夾雑物が存在する場合であっても、わずか1分で、精度良く尿中の細菌を検出することが可能となりました。
本発明は、UF-1000i、UF-500i、UX-2000、UFⅡサーチBAC、UFⅡパックBAC、UXⅡサーチBAC、UXⅡパックBACに採用されています。
発明の名称:フローサイトメータ(特許第4763159号)本発明は、血液中の血球や尿中の有形成分等の粒子分析に用いられるフローサイトメータに関するものです。
従来のフローサイトメータでは、レーザ光源から出射されるレーザビームの一部がスリットによって遮光されるため光源の利用効率が低くなっていました。本発明では、コンデンサレンズとシリンドリカルレンズとを組み合わせて光ビームの焦点を調整することで、スリットを使用せず、レーザ光源から出射された光を有効に使用することができます。これにより、粒子を高感度・高精度に測定を行うことができます。
本発明は、UF-1000i、UF-500i、UX-2000、XNシリーズ、XN-Lシリーズ、LC-1000に採用されています。発明の名称:血液分析装置(特許第4745030号)
本発明は、赤血球の計数および白血球の分類が可能な全自動血液分析装置に関するもので、白血球を測定する光検出器としてアバランシェフォトダイオードを採用することにより、装置の大幅な小型化を可能にしました。
本発明は、XSシリーズ、XNシリーズ、ProCyte Dxに採用されています。
【「近畿地方発明表彰」受賞歴(過去5年分)】
「文部科学大臣発明奨励賞」:網赤血球中のヘモグロビン分析装置
「発明奨励賞」:3次元動画を用いた作業手順表示システム
「発明奨励賞」:ピペットチップ自動供給装置
「発明奨励賞」:核酸増幅分析における増幅阻害物質判定方法
「兵庫県発明協会会長賞」:血液凝固分析装置
「発明奨励賞」:モノクローナル抗体を用いたDダイマー測定試薬
「発明奨励賞」:試薬の共通化を進めた試料分析装置と方法
「発明奨励賞」:自動顕微鏡及びこれを備える分析装置
「日本弁理士会会長奨励賞」:液体試料吸引監視方法
「発明奨励賞」:直接核酸増幅法
「発明奨励賞」:検体分析装置
「発明奨励賞」:白血球及びヘモグロビン濃度測定試薬
「発明奨励賞」:管理装置に用いられる精度管理方法
「発明奨励賞」:自動分析装置の分注ピペット洗浄方法
「発明奨励賞」:シースフロー形成装置
「発明奨励賞」:粒子分析装置および自動粒子分析方法
「特許庁長官奨励賞」:白血球分類計数方法
「発明奨励賞」:免疫クロマトグラフィー検査用検体前処理液
「発明奨励賞」:液体吸引装置
「発明奨励賞」:血液凝固測定装置