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個別化医療実現に向けたコンパニオン診断薬開発の新たな国内拠点を神戸ポートアイランドのIMP内に開設

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)はこのたび、神戸医療産業都市の拠点であるポートアイランド(神戸市中央区)に個別化医療実現に向けたコンパニオン診断薬※1開発および受託アッセイサービスの新たな国内拠点を開設します。

  がん治療分野では、患者さんのQOL向上、医療費の低減を目指し、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供する個別化医療の実現、普及が望まれています。また、分子標的治療薬※2の開発においては抗がん剤の投与対象となる患者さんの選別および治療効果のモニタリングのためのコンパニオン診断薬の開発も重要となります。
  シスメックスは、個別化医療実現に向けた検体検査技術プラットフォームの拡充を目指し、2013年にデジタルPCR技術※3を保有するInostics社(現 Sysmex Inostics社)をグループに加え、研究機関や大学、医療機関とのオープンイノベーションによるバイオマーカー獲得など、その取り組みを強化しています。

  シスメックスはこのたび、神戸医療産業都市の拠点である、神戸市中央区ポートアイランドに開設された伊藤忠メディカルプラザ(以下「IMP」)内に、個別化医療実現に向けたコンパニオン診断薬開発の新たな国内拠点を開設します。
  今後、IMP内にSysmex Inostics社の高感度がん遺伝子検出技術に対応したラボを設置し、CAP (College of American Pathologists, 米国臨床病理医協会)※4施設審査基準認定など海外第三者認証にも対応できるよう整備していく予定です。
 

 また、ドイツ・アメリカに拠点を置き、グローバルにコンパニオン診断薬開発を進めているSysmex Inostics社と共同で、国内の規制にも対応したコンパニオン診断薬の開発や受託アッセイサービスを実施することにより、幅広いラボアッセイ事業の展開が可能となります。
 

 本拠点でのコンパニオン診断薬の開発は、関西イノベーション総合戦略特区事業の一つとして申請・認可済みであり、神戸市などの支援を受けながら、今後関連する事業を展開していきます。また、Sysmex Inostics社の技術だけでなく、新たな自社技術によるコンパニオン診断薬の開発や受託アッセイサービスなどラボアッセイ事業の幅を広げていきます。
 

 今後もシスメックスは、価値の高い検査の開発と普及を通じ、患者さんのQOL向上や医療の標準化、個別化医療の発展に貢献していきます。

【ラボの概要】
・実施内容:      コンパニオン診断薬開発および受託アッセイサービス
・ラボ面積:        約360㎡
・オフィス面積:    約130㎡
・稼働時期:        2014年12月(予定)

 

【注釈】

※1 コンパニオン診断薬:

治療薬の効果や副作用を投薬前に予測する、またはその治療効果をモニターするために行われる臨床検査薬のことで、特に、治療薬の開発と同時に開発される検査薬をコンパニオン診断薬という。

※2 分子標的治療薬: 特定の分子(遺伝子またはタンパク質)を標的として創製された治療薬のこと。その多くはがんの分野で開発・上市されており、腫瘍化の原因となる遺伝子の発現またはタンパク質の活性を制御する目的で使用される。
※3 デジタルPCR技術: 非常に高感度な遺伝子検出技術のひとつであり、血液中に放出された微量がん遺伝子変異の検出等への応用が期待されている。
※4 CAP(米国臨床病理医協会): 世界中の検査施設の質の高さを保証するもっとも権威のある認定機関といわれる協会。

以上

  • プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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