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血液凝固検査試薬 「リアスオートP-FDP」を発売

~試薬性能の向上により、検査の効率化・低コスト化を実現~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、このたび血液凝固検査分野の「全自動血液凝固測定装置 CSシリーズ、CA-7/8000、CA-1500、CA-6/550、コアグレックス800」で使用可能な新たな試薬「リアスオートP-FDP」を発売します。
 このたび発売するFDP※1検査試薬は、広範囲の測定範囲を実現し、再検査率の低減による報告時間の短縮、コストダウンに寄与します。また、Dダイマー※1検査との併用による播種性血管内凝固症候群(DIC)※2の診断、治療法の適切な選択など臨床上の有用性向上を目指し、フィブリノゲン分解産物への反応性向上を実現しました。

 体内を流れる血液には、主に血管外に出血した際に血液を固める働き(凝固)と血管内で血液が固まることを防ぐ働きがあり、さらに固まった血液を溶かし(線溶)、血流を元の状態に戻す働きがあります。正常な状態では、これらの働きがバランスよく機能しています。これらのバランスが崩れると、血友病などの血液が固まらない疾患や、脳梗塞・深部静脈血栓などの血栓を引き起こす疾患の原因となります。2012年の世界における死亡原因の1位と2位は血栓が原因とされる虚血性心疾患、脳卒中であり※3、その早期診断・早期治療が求められ、血液凝固・線溶機能の検査は重要な役割を果たしています。
 

 このたび発売する「リアスオートP-FDP」は、FDP検査に使用され、血液の凝固・線溶亢進状態の把握に用いられます。播種性血管内凝固症候群(DIC)や血栓症の診断に重要な検査であり、Dダイマー検査との組み合わせにより、DICの病型分類にも有用と言われています。

 また、本試薬では高値まで測定可能となり、これまで再検査を要していた高値検体を、1回の検査で測定することができ、迅速に測定することが可能となります。また、DIC病型分類の把握における有用性の向上を目指し、フィブリノゲン分解産物への反応性の向上を独自の技術により実現しました。

 

 さらに、検査に必要な精度管理物質をDダイマー検査試薬と共通化することにより、試薬の調製や管理などを省力化し、ユーザビリティを向上させました。また、精度管理は外部精度管理サービスに対応し、測定結果の精度保証をサポートします。

 これらの製品・サービスを通して、凝固検査における機器・試薬の総合メーカーとしてより迅速に、より適切な治療法選択を補助し、質の高い検査環境を提供します。

 

 今後もシスメックスは、患者さんの負担軽減や検査の質の向上に寄与するとともに、お客様に安心をお届けしていきます。

【新製品の概要】  
  販売名: リアスオートP-FDP
  使用目的:  血漿または血清中フィブリノゲンおよびフィブリン分解産物(FDP)の測定
  発売時期:  2014年5月 
  対象市場:  日本 
  対象施設:  中規模から大規模の病院・検査センター 
  保険点数: 80点 
 血液凝固検査試薬

血液凝固検査試薬
「リアスオートP-FDP」

全自動血液凝固測定装置

全自動血液凝固測定装置
「CS-5100」

【注釈】
 ※1  FDP・Dダイマー:FDPは、止血および血栓形成の中心となるフィブリノゲンおよびフィブリンが分解されてできる成分の総称で、Dダイマーは、その内、フィブリンの分解産物のことを指す。このFDP、Dダイマーを検査することで、血栓を形成する作用(凝固)、血栓を分解する作用(線溶)が起きていることを調べることができる。
 ※2 播種性血管内凝固症候群(DIC):基礎疾患の存在下において、血液凝固亢進状態が継続的に生じ,末梢の血管に広く微小血栓が多発する病態。この結果、主に出血症状と臓器症状を引き起こす。臓器症状は、組織に血液が行き渡らない為に、循環障害による機能不全などをもたらす。臨床症状が出現すると予後はきわめて不良になる為、早期診断、早期治療が重要。おもな基礎疾患には、白血病や悪性腫瘍、感染症(多くは敗血症をともなう)、大動脈瘤などがあり、DICの病型分類として、線溶抑制型、線溶均衡型、線溶亢進型がある。FDP検査は、厚生労働省DIC診断基準、ISTH overt-DIC診断基準、急性期DIC診断基準に盛り込まれている
  ※3  出典:WHO The top 10 causes of death




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