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OSNA®法の臨床的価値向上に向けた取り組みを推進

~乳がんリンパ節転移検査のワークフロー改善でさらなる価値の向上へ~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、2008年に独自の技術であるOSNA(One-Step Nucleic Acid Amplification:直接遺伝子増幅)法を用いて、国内で初めて乳がんリンパ節転移迅速検査の自動化を実現し、以降その臨床的価値向上に向けて取り組むとともに、グローバルな製品導入を進めています。
 今後の適用がん種の拡大を踏まえ、がんリンパ節転移検査のさらなる標準化・迅速化を目指し、このたびリンパ節前処理装置RP-10を日本市場で発売開始しました。

 早期乳がん手術では、リンパ節中のがん転移の有無を確認する病理組織診断が術中と術後の2回にわたって行われ、その検査結果に基づき切除範囲や術後治療などの診療方針が決定されます。しかし、特に手術中の限られた時間での検査の実施、転移判定の困難さなどが、熟練した病理医の不足とともに、乳がんリンパ節転移検査における課題となっていました。

 このような背景のもと、病理医および乳がん患者さんの負担軽減を実現するため、リンパ節転移検査の標準化と迅速化を目指しOSNA法は開発されました。

 OSNA法の実用化により、検査が自動化・簡便化され、客観的な検査結果が得られるため、病理医の負担軽減と乳がん診療の標準化に繋がります。また、乳がんのリンパ節転移の有無を手術中に検出することで、再手術による患者さんの負担軽減に貢献してきました。

 

 OSNA法による乳がんリンパ節転移検査は、スペイン病理学会(Spanish Society of Senology and Mammary Pathology)の診断ガイドラインでの推奨や、英国の国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence)により推奨されるなど、海外においても高く評価されています。国内では、日本乳癌学会が作成した乳癌診療ガイドラインにて、センチネルリンパ節の病理学的検索の代用として推奨グレードAを取得しています。

 

 また、2013年には大腸がん、胃がんリンパ節転移検査が保険適用されるなど、適用がん種の拡大に取り組んでおり、OSNA法についてこれまで約60件の論文で報告されるなど、その臨床的価値が認められています。
 

 このたびシスメックスは、OSNA法によるがんリンパ節転移検査のさらなる標準化・迅速化を目指し、自動でリンパ節を破砕・可溶化するリンパ節前処理装置RP-10を日本市場で発売開始しました。

 OSNA法による検査を行うためには、検体となるリンパ節を破砕・可溶化する必要があり、現在ホモジナイザー装置※を使った用手法で前処理されています。RP-10を使用することにより、用手法による前処理と比較して測定時間を10%弱短縮することが可能となります。これにより、検査の効率化をさらに進め、検査担当者のワークフロー改善、ひいては患者さんの負担軽減に寄与します。

 

 シスメックスは、今後もOSNA法によるリンパ節転移迅速検査システムのさらなる市場拡大を図るとともに、リンパ節転移検査の標準化に向けて取り組みます。

【新製品の概要】
 1. 製品名:  リンパ節前処理装置 RP-10
 2. 製品の特長   
  (1)機能: リンパ節の破砕/可溶化 
  (2)処理能力:  最大4リンパ節/バッチ 
  (3)処理時間:  約1.5分/バッチ 
  (4)サイズ : 391mm(W)×267mm(D)×500mm(H) 
  (5)重量 :  約23kg



                   リンパ節前処理装置 RP-10

                   リンパ節前処理装置 RP-10 

【注記】

 ※  ホモジナイザー装置:ホモジナイザー(乳化機、均質機)とは、機械的に液体中の粒子(固体)や小滴(液体)を微細化し、非常に小さいサイズにする装置。固体や液体の粒子径を小さくすることにより分離しにくくし、均質な状態にすることができる。

 
 

以上

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    その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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