シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:家次 恒)は、グループの高成長の持続と収益性の更なる向上を目指し、2014年3月期を最終年度とするグループ中期経営計画を策定いたしました。
本グループ中期経営計画では、2007年に制定いたしました長期目標および基本戦略を進化させると共に、今後3年間で重点的に取り組むべき課題を展開し、研究開発費として約450億円の投資を行い、最終年度の2014年3月期に売上高1,750億円、営業利益265億円を目指します。さらに、M&Aへの積極的な投資により、非連続な成長を目指します。
当社はこれらの市場変化を先読みし、グローバルでの拠点整備、品揃えの拡充とソリューション提案の実施、先進的なサービス&サポートの提供など独自の戦略展開により、持続的な高成長を実現してまいりました。
今後も環境が大きく変化していく中で、グループとして高成長の持続と収益性の更なる向上を目指し、2007年度に制定した長期目標および基本戦略をこのたび刷新いたしました。今後は新たな長期目標と基本戦略に基づき、本グループ中期経営計画を推進し、長期ビジョンの実現を目指してまいります。
1. 長期ビジョン |
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1) 長期ビジョン | |||
A Unique & Global Healthcare Testing Company | |||
2) 長期目標 | |||
(1) ポジショニング | |||
• ヘマトロジーにおける絶対的なグローバルNo. 1
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(2) 経営目標 | |||
• 連結売上高 5,000億円以上 | |||
3) 基本戦略 | |||
(1) リード・ヘマトロジー | |||
当社は、これまでヘマトロジー分野において品質・ユーザビリティの高い製品や先進的なサービス&サポート等を160カ国以上の国々に提供し、グローバルNo.1のポジションを築いてまいりました。今後も、No. 1企業としての総合力を更に強化し、絶対的なグローバルNo. 1ポジションの確立を目指してまいります。 また、フロントランナーとして先進技術の活用や継続的な研究開発への取り組みにより、血液疾患診断における新たな価値を創造すると共に、次世代のヘマトロジー分野をリードする役割を担う企業として、今後も成長を持続してまいります。 |
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(2) リード・エマージングマーケット | |||
検体検査領域におけるグローバル企業として唯一アジアを拠点とする当社は、アジアにおける検体検査領域のリーディングカンパニーを目指してまいりました。 アジアにおいて築いたアドバンテージを活かし、今後は高成長が期待される新興国市場において、市場ニーズに適合した商品の投入と販売サービスネットワークの強化により、検体検査の総合サプライヤーを目指してまいります。 アジアにおいてはこれまでのアドバンテージを更に強化し、アジアの検体検査市場におけるリーディングポジションを目指すと共に、各国における検査の発展をリードする役割を担ってまいります。 |
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(3) ライフサイエンス・イノベーション | |||
ライフサイエンスにおいては、がんを中心とした疾患に関する分子診断において、新たな技術の活用などにより独自の検査技術の創出を目指してまいります。 自社技術と他社技術の融合により、個別化医療や治療と診断の融合など、ライフサイエンスにおける新たな価値の創造に取り組み、分子診断領域におけるグローバルでのポジションを確立してまいります。 |
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2. グループ中期経営計画 | |||
1) 中期目標数値(連結) |
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アメリカドル
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ユーロ
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中国元
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シンガポールドル
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85 円
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115 円
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12.7 円
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64 円
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3. 重要な課題と取り組み | |||
1) アジアをはじめとした新興国での成長の加速 | |||
中国および東南アジア・南アジアなどをはじめ高成長が期待される新興国市場において、ヘマトロジー分野、凝固分野における高成長を持続するため、販売およびサービス&サポート体制の強化を図ってまいります。また、高成長を支える生産・供給体制を強化し、一部診断薬の現地への生産移管も含め、効率的な体制を構築してまいります。 また、生化学・免疫分野への市場参入に向け、アライアンスなどを活用し機器および診断薬の商品ポートフォリオを拡充してまいります。 特に急成長が見込まれる新興国ボリュームゾーンに適合したビジネスモデルとしてファイナンススキーム等を活用すると共に、複数の検査分野における機器・診断薬・サービス&サポート・IT等をパッケージ化し、複合的なソリューションとして販売してまいります。 | |||
2) ヘマトロジーにおける絶対的なNo. 1ポジションの確立と収益力の向上 | |||
グループの収益基盤であり、コア事業であるヘマトロジー分野において、グローバルNo. 1のポジションをより強固にするため、フラッグシップモデルである「XNシリーズ」を市場導入してまいります。 また、検査ニーズの高度化や多様化に対応すべく、情報通信技術、サービス&サポート等を活用したソリューション提案を強化し、グローバルNo. 1ならではの新たな価値の提供を積極的に進めてまいります。 | |||
3) ノンヘマトロジー分野※3における成長の加速と次の成長に向けた基盤作り | |||
ヘマトロジーに次ぐ成長の柱として、ヘマトロジー以外の検体検査分野でのプレゼンスの向上を推進し、成長を実現してまいります。凝固検査分野および尿検査分野においては、当社独自の事業展開に加え、アライアンスを活用したグローバルな事業展開を推進します。また、機器を中心とした商品ポートフォリオの拡充を図ると共に、原材料を含むノンヘマトロジー診断薬の開発・生産・供給体制を強化し、次の成長に向けた基盤作りを進めてまいります。 ※3:ノンヘマトロジー分野:血液凝固検査、免疫検査、尿検査、生化学検査等のヘマトロジー以外の検体検査分野 |
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4) ライフサイエンスにおける事業化の促進 | |||
国内で初めて自動化を実現したOSNA法による乳がんリンパ節転移検査を、日本および欧州に加えて、世界の主要な国々へ導入を進めてまいります。また、OSNA法の他がん種への適用拡大を推進すると共に、術中迅速検査に関連する商品ポートフォリオを拡充します。加えて、新たな検査手法を用いて、ラボアッセイサービス※4を展開し、ライフサイエンスの事業化を促進してまいります。 ※4:検体分析の受託サービス |
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5) M&Aやアライアンスの積極的な活用による事業ポートフォリオの強化と非連続な成長の実現 | |||
ヘマトロジー、ノンヘマトロジー、ライフサイエンスの各事業における成長の加速と共に、グループの事業ポートフォリオ拡充による非連続な成長の実現を目指し、M&Aやアライアンスを積極的に推進してまいります。 このため、既存の事業戦略・事業推進部門に加えて、M&A、アライアンスに関する専任部門を新設し、新たな事業の探索を目指したアライアンス、M&Aについても積極的に進めてまいります。 | |||
(注記)本計画は、現在入手可能な情報による判断および仮定に基づき策定しており、今後の主要市場の経済状況、業界動向等の変化により変更する可能性があります。 | |||
以上 |