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第3回ひょうごものづくり技術大賞の「兵庫県知事賞」を受賞

~デジタルものづくりの推進により新人作業者の習熟をさらにスピーディーに~

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:家次 恒、以下「シスメックス」)の機器生産における取り組みが、このたび社団法人兵庫工業会が主催する「第3回ひょうごものづくり技術大賞」*の「兵庫県知事賞」を受賞しました。
 デジタルものづくりの推進により、新人作業者における習熟のさらなる迅速化を実現した生産体制が評価され、「製造・生産プロセス分野」において表彰されました。

 シスメックスでは、全ての検査機器を兵庫県加古川市にある機器生産拠点(以下、加古川工場)で生産しています。加古川工場で機器生産に携わる従業員のうち約7割は、特殊な技術を保有しない女性パートタイマーで、組み立てはすべて女性パートタイマーによって行われています。生産工程においては、パートタイマー1人が1台を組み立てる「セル生産方式」を採用しており、この生産方式により、お客様のニーズの多様化に伴う多品種少量生産や需要変動に柔軟に対応してきました。
 近年では、輸出国数も増え、新興国での需要増にともなう生産量の拡大や、新製品・高機能製品の増加に対する生産性の向上に加えて、高い品質も重要視されています。また、コスト面においてもグローバル競争に打ち勝っていくため、さらなる生産の効率化が求められるようになりました。当社ではITを最大限に活用したデジタルものづくりを推進し、パートタイマーを短期間で高度な作業ができるまで育成することで、高い品質と強いコスト競争力を両立する仕組みを確立しています。
 
 この仕組みは、動画などの立体画像で組み立ての手順が表示される「3次元ムーブマニュアル」と、製品そのものに調整検査機能を持たせ生産支援システムが自動コントロールする仕組み「eアシスト」、これらを統括する生産支援システム「Quick21」の3つのシステムで構成されています。 
 「3次元ムーブマニュアル」は、取りつける部品の位置や手順がカラーの動画でわかりやすく画面表示され、複雑な組み立て部分においても図面をあらゆる方向に回転させて確認することができ、特殊な図面を読み取る知識がなくてもスムーズに組み立てることができます。また、重要な工程では音声ガイダンスが流れ、注意を促し作業ミスを防ぎます。
 「eアシスト」は、ネットワークを介して組み立て後の製品と生産支援システム「Quick21」をつなぐことで自動で製品の細かな調整が行われ、特別な知識を持たない作業者でも調整・検査工程をスムーズに進めることができ、全体の工数削減に寄与しています。
 
 このシステムの導入により、新人作業者の習熟はよりスピーディーに、生産効率は大幅に向上しました。また、従来は、開発終了後に生産用の組み立て手順書を紙面で作成していましたが、「3次元ムーブマニュアル」は開発段階から作成を開始できるため、新製品における生産体制の早期確立とペーパーレス化を実現しています。
 
 今後も、研究開発、ものづくり、グローバルネットワークなどの強みを活かし、グローバルでの競争力を高めるとともに、付加価値の高い製品を世界中へお届けしていきます。
 
*「ひょうごものづくり技術大賞」について
社団法人兵庫工業会が隔年で実施する表彰で、日本の産業・社会を支えてきた「ものづくり」を継承・発展させるとともに、兵庫県の技術水準の向上とものづくり意欲を高めることを目的としています。選考にあたっては、「製造・生産プロセス分野」「製品・技術開発分野」「伝統技術の応用分野」の3つの分野において評価され、特に優れた成果を出した個人またはグループが表彰されます。受賞者は翌年度、総理大臣表彰制度である「ものづくり日本大賞」に推薦されます。
 
 
 
以上
 
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