第X因子
(Factor X;Stuart factor)
第X因子は447個のアミノ酸から成る分子量約59,000の二本鎖の糖蛋白質であり二本鎖はジスルファイド結合(-S-S)で結ばれている(図10)。
ビタミンK依存性で肝臓で産生され、NH2末端に11個のGla残基をもつ。その染色体は第13染色体上にある。第X因子はそのGlaドメインで
リン脂質にCa2+を介して結合し、その上にある第IXa因子によって第VIIIa因子を補助因子として活性化される。
又、組織因子、リン脂質、Ca2+と複合体を作っている第VIIa因子によっても活性化され、
この第Xa因子は第Va因子、リン脂質、Ca2+とともにプロトロンビナーゼ複合体を
形成し、プロトロンビンを活性化する。その他第Xa因子は第VII因子・組織因子複合体に働いて第VII因子を第VIIIa因子にするという外因系の
スタートにもかかわっている。第X因子活性の測定は、第X因子欠乏血漿を用いてAPTTで凝固活性を測定するかまたは、ラッセルクサリ蛇の毒
(RVV)を用いて第Xa因子にして、その水解能を合成基質を用いて測定する。又、第X因子抗原量は免疫学的測定法で測定する。血漿中には、
5~10μg/ml存在しており、正常活性値は80~120%である。第X因子の先天的な欠損症は稀であり、その出血症状も血友病に較べると軽く、
関節内出血などはほとんどない。重篤な肝疾患、経口抗凝血薬投与時、炎症、DIC時等で減少する。




