シスメックス株式会社

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経営・事業
2012年11月07日

平成24年度近畿地方発明表彰を受賞

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:家次 恒)は、このたび公益社団法人発明協会が主催する近畿地方発明表彰において、「日本弁理士会会長奨励賞」1件と「発明奨励賞」3件を受賞いたしました。地方発明表彰は、優れた技術やデザインを生み出した技術者・研究者を顕彰するもので、大正10年より続き、本年で91年を迎える歴史ある表彰事業です。

【受賞発明の概要】


(1) 日本弁理士会会長奨励賞


発明の名称:液体試料吸引監視方法(特許番号:特許第4593404号)

 本発明は、全自動血球計数装置であるXNシリーズ、XSシリーズで用いられる血液等の吸引監視方法に関するものです。 

 本発明では、分析のために採取する血液等の量を低減できる吸引監視方法を開発しました。まず、採血管からピアサ内部に設定量の血液を吸引します。次に、混合チャンバに吸引監視用試料(1)を吐出して、希釈液との混合試料を濁度センサにて測定します。続けて、血液測定用試料(2)から白血球、赤血球、ヘモグロビン等の血液測定を行い、最後に吸引監視用試料(3)の濁度を吸引監視用試料(1)と同様に測定します。吸引監視用試料(1)と(3)の測定結果から、この両部分の間にある血液測定用試料(2)には所定量の血液が吸引できていると判断します。

 本発明により、分析に用いられる血液等の試料は、従来のサンプリングバルブを用いた方式よりも少なくて済み、分析のために採取する量が低減します。このため、採血される方への負担が軽減されます。

 この技術は、当社の主力製品である全自動血球計数装置(XNシリーズ、XSシリーズ)に採用され、世界中のお客様にご愛用いただいています。


 また、本件は、実施化に顕著な功績があると認められる法人の代表者へ贈呈される「実施功績賞」も受賞しました。

本発明の概略図

(2) 発明奨励賞


発明の名称:直接核酸増幅法(特許番号:特許第4471659号)

 本発明は、遺伝子増幅検出装置であるRD-100iおよび関連試薬等に用いられる簡便かつ迅速に遺伝子の検出を可能とする方法に関するものです。
   早期乳がんの手術では、リンパ節へのがん転移の有無を顕微鏡による病理組織診断で判断し、手術中にリンパ節の切除する範囲を決定しています。摘出されたリンパ節は2ミリ幅にスライスし、切片を顕微鏡にて観察しますが、30分程度の短時間で行う必要があるため、多数の切片を観察することができません。このため、偽陰性が生じる問題がありました。一方、PCR法に代表される遺伝子検査法を用いると、リンパ節全体の検査は可能ですが、遺伝子の抽出・精製には時間を要する煩雑な操作や特別な実験環境、熟練した技師が必要で、一般の検査室で術中迅速診断に応用することは困難でした。

 本発明は、患者さんより採取したリンパ節から遺伝子を抽出・精製することなく、直接核酸増幅を行うことができる方法です。本発明を採用することで、がんのリンパ節転移の術中迅速診断に適用可能な自動化された遺伝子検査を世界で初めて実現しました。※1

 これにより、再手術を回避でき、患者さんの負担軽減が図れます。さらに、検査を自動化・簡便化したことで、熟練度に依存せず、客観的な検査結果が得られるとともに、病理医の負担軽減につながります。

 本発明は「OSNA®※2」として広く医療関係者や学会で認知されており、本発明を用いた遺伝子増幅検出装置は、日本、欧州等の多くの病院やがんセンターに導入されています。


※1:自社調べ
※2:「OSNA®」はOne Step Nucleic Acid Amplificationの略で、可溶化試薬により採取したリンパ節中にあるがん特有の遺伝子(mRNA)を抽出することなく、その溶液を直接増幅反応させることができる手法です。シスメックスが独自に技術開発したもので、当社の登録商標です。


発明の名称:検体分析装置(特許番号:特許第4805710号)

 本発明は、疾患の発見や異常部位の推定をするために患者さんから採取した尿検体中の成分を分析する検体分析装置に関するものです。

 尿中の有形成分を分析する方法としては、フローサイトメーターを用いて分類する方法があります。フローサイトメーターを用いた検体分析装置では、検体を測定した後の次の検体測定への影響(キャリーオーバー)を防止して測定精度の信頼性を担保するために、測定が終了する度に、試薬や希釈液等の洗浄液を用いて検体通過流路の洗浄を行っています。しかし、細菌濃度が正常値の数万倍程度の高濃度検体の場合、正常検体と同じ時間および液量で洗浄すると洗浄不足となり、次の検体にキャリーオーバーが起こり、正確な測定値が得られなくなるという問題があります。

 本発明の検体分析装置は、分析速度を高速化するため、先に測定を開始した尿検体の処理中に次の検体の測定が開始され、複数の連続する動作がオーバーラップするように構成されています。細菌の測定結果がある一定の値を超える場合、この尿検体の次に測定される尿検体には先に測定された尿検体中の成分がキャリーオーバーしているものと考えられることから、検体通過流路を再洗浄後に、次の尿検体を再度測定します。これにより、本来正常な尿検体が誤って高値と判定されるといった不具合を防止し、測定精度の信頼性を担保しつつ、分析速度の高速化を実現することができます。

 本発明の技術は、全自動尿統合分析装置UX-2000、全自動尿中有形成分分析装置UF-1000i、UF-500iに搭載されています。


発明の名称:白血球及びヘモグロビン濃度測定試薬(特許番号:特許第3830613号)

 本発明は、シアン化合物を使用せず、白血球数を測定でき、また試料の液温が変動しても安定してヘモグロビン濃度を測定できる試薬に関するものです。

 血液中の白血球数およびヘモグロビン濃度を測定することは、白血病や感染症・貧血症等の臨床診断、あるいは治療経過をモニタリングする上で極めて重要です。従来のヘモグロビン濃度測定試薬には有害なシアン化合物が含まれていたため、試薬あるいは測定後の試料は、無毒化してから廃棄する必要がありました。また、シアン化合物を使用せずにヘモグロビン濃度と白血球数を同時測定できる試薬がありましたが、試料の液温が変動するとヘモグロビン濃度が大きく変動するという欠点がありました。

 本発明の試薬は、シアン化合物を使用せず、かつ試料の液温が変わっても安定して白血球数およびヘモグロビン濃度が同時測定できます。そのため、特別な廃液処理操作や温度安定機構は不要となり、自動血球計数装置への適用を飛躍的に進歩させることができました。

 本発明の技術は、多項目自動血球計数装置の試薬(ストマトライザ-WH、pocH-pack L)に用いられています。

【「近畿地方発明表彰」受賞歴(過去5年分)】


  • 平成23年度近畿地方発明表彰「発明奨励賞」:管理装置に用いられる精度管理方法、「発明奨励賞」:自動分析装置の分注ピペット洗浄方法、「発明奨励賞」:シースフロー形成装置、「発明奨励賞」:粒子分析装置および自動粒子分析方法
  • 平成22年度近畿地方発明表彰「特許庁長官奨励賞」:白血球分類計数方法、「発明奨励賞」:免疫クロマトグラフィー検査用検体前処理液、「発明奨励賞」:液体吸引装置、「発明奨励賞」:血液凝固測定装置
  • 平成21年度近畿地方発明表彰「近畿経済産業局長賞」:尿中有形成分分析用試薬、「発明奨励賞」:画像ファイリングシステム、「発明奨励賞」:抗リン脂質抗体測定試薬及び抗リン脂質抗体測定方法、「発明奨励賞」:血液分析装置
  • 平成20年度近畿地方発明表彰「特許庁長官奨励賞」:C型肝炎ウイルス感染症診断薬、「発明奨励賞」:粒子画像分析装置、「発明奨励賞」:赤芽球の分類計数用試薬及び分類計数方法、「発明奨励賞」:自動標本作製装置
  • 平成19年度近畿地方発明表彰「支部長賞」:検体自動再分析機能を有する分析装置、「発明奨励賞」:尿中赤血球の鑑別装置および方法、「発明奨励賞」:動物用自動分析システム

以上

※プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

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